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DxVAによる動画再生のハードウェア支援

 先日,GeForce6200Aのグラフィックボードを買ってはみたものの,地デジ視聴時のあまりのコマ落ちに使用を断念,その後ドライバを古いものにすることでなんとか実用レベルに引き上げた話を書きました。

 この話,その後もぼちぼち調べてみると,技術的にもなかなか興味深いお話が分かってきました。まず,動画再生のような重たい処理は,ハードウェアの支援があった方が合理的なわけですが,それをGPUがちゃんと果たしているという事実です。

 実のところ,この手の「ハードウェアによる支援」というのは案外眉唾なイメージが私にはあって,確かに積和演算を専用ハードウェアで行うのは合理的でも,結局上位のアプリケーションからハードウェアに到達するまでにドライバだのラッパーだのHALだのといろんなソフトウェアが間に挟まって,結局軽くならないという馬鹿馬鹿しい事を何度も見せつけられてきました。

 だから,それらオーバーヘッドを少なくする工夫をすることと,オーバーヘッドがあっても全然得をするくらい高速な演算器を用意することが,成功の鍵だと思っているわけです。そう考えると,3DグラフィックにGPUを用いることが当たり前になった事実は,非常にわかりやすい成功例と言えるのかも知れません。

 同じ話を動画再生にもという話な訳ですが,動画再生は高速なCPUを使ってもどうにかなる世界ですから,GPUがないとどうにもならない3Dグラフィックとは,必要度が違ってくるように思います。ですから,私はGPUによる動画再生の支援などは,セールストークの1つだと考えていました。

 しかしこの考えは甘かったです。

 結論からいいますと,これまでCPU負荷が40から50%程度だったものが,20%前半から30%前半程度と,一気に半減しました。さらに負荷の変動も小さく,安定したものとなっています。結果,コマ落ちはほとんどなくなり,実に快適に地デジ視聴が可能になりました。すごいです。

 なにをしたかと言いますと,MPEGデコーダの設定を,DxVAを使用する設定に変更しました。レンダラはVMR7を選んでいます。VMR9だとコマ落ちがひどいです。

 WindowsXPですから,DxVAが必須ではありませんし,メモリ消費が増えてしまったり速度が低下することもあるということで,私は使わずに使っていました。また,この設定が有効になるのが,TVTestの再起動によることを知らず,ONとOFFで差がないと簡単にあきらめてしまったことも失敗でした。

 GeForce6200AにはPureVideoという動画支援が実装されています。世代が古いので大したことは出来ませんが,これを使うにはDxVAでなくてはならないです。DxVAを使わずにVMR7を使うと,DirectDrawが利用されるので,ここの速度が低下する最新のドライバでは盛大なコマ落ちが起こるということでしょう。

 DxVAでは,MPEGデコードをGeForce6200Aとドライバが行うようで,デコード時の色相の設定は,MPEGデコーダの設定から行わず,nVidiaのドライバから行うようになります。

 やったことはこれだけです。こういうことなら,もしかするとドライバを最新にすると,さらに軽くなったり,さらに画質が向上したり,さらにMPEGデコード時の調整項目が増えたりするのではないかと思うのですが,ドライバ周りをいじくるのもしんどいので,もうこれでよいことにします。

 歴史的経緯の把握も必要な,Windowsのグラフィック周りの技術的なお話は,それらと無縁な生活を送ってきた私には,相当ハードルの高いお話です。ですのでこの理解が正しい自信もありませんし,もっと良い設定があるのかも知れません。

 ただ,大変面白いのは,やはりGPUをおごったことは正解だったということです。期待以上の性能向上が得られ,実際にそれがこれまで不可能だったことを可能にしてくれています。PCIという前世紀のバスに繋いでもこれだけの恩恵が受けられるというのは,すごいものだと感心しました。

 理屈はともかく,オンボードのアナログRGBでは得られなかった快適な視聴環境がようやく手に入りました。地デジ専用PCとして,妥協するべきところがもうなにもなくなった気がします。目的を達成できて,実に爽快です。

古いチップには古いドライバを

 かなり信頼性を高め,実績を積み上げつつある地デジ専用PCですが,やはりどうしてもビデオカードの増設を行う事にしました。気になっていた問題点は,

・DVIが出ておらず,アナログRGBで接続していること
 -> HDCPへの対応が不可能
 -> 本来の画質が稼げていないだろう
 -> DVDレコーダがアナログRGB端子を使うので,いちいちつなぎ替えるのが面倒
・グラフィックのパフォーマンスが不足がち
 -> 地デジ試聴にはギリギリ
 -> 3Dなどは目も当てられない
・CPU負荷を軽くしたい
 -> ATOM330は決して余裕のあるCPUではない
・空いたスロットは埋めるのが男
 -> 精神衛生上の問題は実は最優先課題である

 てな感じです。

 私のベアボーンであるR11S4MI-BAには,FOXCONNの45CTDという廉価なマザーボードが使われています。グラフィックについてはオンボードの945GCですから,最低限の性能しか持っていません。

 このマザーボードは拡張スロットを1つもっていますが,PCIのロープロファイルです。ゆえにここに差し込むボードに,グラフィックに関係するものは想定されていないといってよいでしょう。

 救いなのは,大きめの電源が小型ベアボーンの割には装備されているので,少々大きめの消費電力のボードを増設しても大丈夫なことです。

 とにかくPCIですから,速度的な改善はあまり望めそうにありません。3D性能の向上は期待できそうですが,それはこのマシンの仕事である地デジ視聴には貢献しませんから,DVIでの接続が出来るという事だけが目的になってしまいそうです。

 ただ,ディスプレイ切り替え器も何千円もしますから,グラフィックボードが数千円で買えるなら,考慮に値します。(こじつけっぽいですが)

 てなわけで,探して見ると,あるんですね,今時PCI接続のグラフィックボードってのが。しかもロープロファイルでファンレスです。こういうグラフィックボードって需要があるんでしょうかね。

 しかし値段は軒並み1万円越えです。PCIExpressのボードなら3000円ほどのエントリクラスのボードでも,PCIなら12000円もしたりします。数の問題でしょうか,それともPCIExpress-PCIブリッジチップの値段でしょうか。

 いろいろ見てみると,GeForceなら9400や8400がPCIでも使えるようです。ただ,このあたりになると2Dのアクセラレーションを行うハードが実装されていないらしく,3D性能を上げるために心血を注いでいるようですから,今回の私の用途には向いていません。しかもブリッジチップのせいで癖が強く,安定して動作しないケースもあるようです。

 低消費電力で2Dアクセラレーションがハードウェアで行われる「旧世代」のチップのうち最新で現行で,WindowsXPでも速度向上が期待できるものと言えば実際の所GeForce6200という数年前の(しかもエントリクラス)ものしか見あたりません。

 バッファローやアイオーでさえも,このチップを使ったグラフィックボードをメーカー製の小型PCの拡張向けに販売していたくらいですので,この手の用途向けにはこのくらいの選択肢しかないということでしょう。

 しかし,これに1万円以上は出せないなあ,と思っていたら,あるお店で玄人志向の「GF6200A-LP128H」というボードを5980円で処分していました。送料を入れても7000円までです。ヤフオクで買っている人は。入札前に少し探した方がいいですよ,この手のものは。

 届いて早速インストールしてみましょう。まあ,オンボードの2Dに比べて,PCIの速度がボトルネックになってしまうことは予想できますから,現状と同程度の速度が出れば御の字としましょう。

 ボードを差し込み,モニタをGF6200A-LP128Hに接続して再起動するとWIndowsが立ち上がりません。途中でリセットがかかります。おそらくオンボード用のドライバを読み込むときに失敗しているのでしょう。

 そこでBIOS設定から起動画面をオンボードに切り替え,オンボードの出力をモニタに椿井で再起動しますと,うまく動きます。あらかじめダウンロードしてあった最新のドライバをインストールして再起動。オンボードのドライバを無効にしてさらに再起動。BIOSの設定を変更し,PCIから起動するようにしてさらに再起動。

 ようやくGeForce6200が動き出しました。

 まずはベンチマークを取ってみます。CrystalMarkCrystalMark2004R3(0.9.126.452)を使います。

 最初に,オンボードの結果です。

GDI2275
Text 435
Square 506
Circle 790
BitBlt 544

D2D2998
Sprite 10 103.07 FPS (10)
Sprite 100 96.46 FPS (96)
Sprite 500 75.44 FPS (377)
Sprite 1000 58.95 FPS (589)
Sprite 5000 18.53 FPS (926)
Sprite 10000 10.00 FPS (1000)

OGL690
Scene 1437
Lines (x1000)(37077)
Scene 2 CPU(8)
Scene 2 Score253
Polygons(5363)
Scene 2 CPU(4)


 3Dなんかボロボロですわね。

 さて,ワクワクしながら,GF6200A-LP128Hです。ドライバは最新の186.18です。

GDI3070
Text 994
Square 1109
Circle 307
BitBlt 660

D2D1028
Sprite 10 82.38 FPS (8)
Sprite 100 65.78 FPS (65)
Sprite 500 34.47 FPS (172)
Sprite 1000 21.62 FPS (216)
Sprite 5000 5.56 FPS (278)
Sprite 10000 2.89 FPS (289)

OGL2031
Scene 11535
Lines (x1000)(194250)
Scene 2 CPU(32)
Scene 2 Score496
Polygons(17441)
Scene 2 CPU(16)

 GDIがそこそこアップ,OpenGLが大幅アップはいいとして,DirecDrawは「何じゃこりゃ」という結果です。まあ,過去のAPIですし,気にしないでおきましょう・・・

 そして,地デジの視聴をやってみます。

 何じゃこりゃ・・・コマ落ちがひどく,がくがくしています。ひどいときは音声も途切れます。おかしいと思いCPU負荷を見ると,ほぼMAXです。これはダメなはずです。MPEG2のデコーダの負荷が支配的とは聞いていましたが,そこはオンボードのVGAから変えていませんので,どう考えてもGF6200A-LP128Hに原因がありそうです。

 デコーダを変えてみたり,ドライバの設定を変えてみたりと,思いつくことは一通りやってみましたが改善されず,実用レベルに達しないということでまずは撤退。ボードを抜き,ドライバを削除してアナログRGBに戻してしまいました。

 後日,もう少し真剣に先人達から教えを請おうと考え,google先生に詰問したところ,いろいろ情報が出てきました。

 曰く,最新のドライバでは古いチップの性能は出ない,100番台のドライバを使うとDirectDrawの性能はがた落ちする,DirectDrawの性能こそ動画視聴には不可欠なのだ(Vistaは別)とのこと。

 なら,どのバージョンがいいんだとさらに調べて,候補として絞り込んだのは84.21,84.43,91.47,93.71,94.24です。84.21はGF6200A-LP128Hと同じボードを使ったバッファローの製品のドライバと同じバージョンですし,94.24あたりは90番台のドライバの完成形ということらしいです。私にはよくわかりませんが。

 ということで,まずは84.21から確かめてみましょう。

GDI3981
Text 1049
Square 1207
Circle 1084
BitBlt 641

D2D2153
Sprite 10 76.58 FPS (7)
Sprite 100 71.30 FPS (71)
Sprite 500 54.60 FPS (273)
Sprite 1000 42.25 FPS (422)
Sprite 5000 13.44 FPS (672)
Sprite 10000 7.08 FPS (708)

OGL1543
Scene 1892
Lines (x1000)(94038)
Scene 2 CPU(16)
Scene 2 Score651
Polygons(23059)
Scene 2 CPU(16)

 おお,GDIもかなりアップしていますし,D2Dもかなり回復しました。オンボードのスコアには届きませんが,186.18に比べるとかなり高速です。一方でOpenGLのスコアは大幅ダウン。やはり現在の競争は3Dグラフィックのパフォーマンス向上で行われているんだなあと実感しました。

 気をよくした私は,90番台に期待をかけます。94.24で落ち着いた人もいるというので,これでベンチマークです。

GDI3712
Text 995
Square 1039
Circle 1013
BitBlt 665

D2D2100
Sprite 10 86.73 FPS (8)
Sprite 100 80.28 FPS (80)
Sprite 500 59.94 FPS (299)
Sprite 1000 43.88 FPS (438)
Sprite 5000 12.50 FPS (625)
Sprite 10000 6.50 FPS (650)

OGL1630
Scene 1964
Lines (x1000)(121836)
Scene 2 CPU(32)
Scene 2 Score666
Polygons(23512)
Scene 2 CPU(16)

 全般的に性能向上があるように思います。チューニングってやつですね。一方で結構大きくスコアを落としたものもあり,このあたりはどう考えるべきか悩みます。ただ,DirecrDrawのスプライトのスコアを見ると,高負荷での落ち方が大きいので,90番台を使うのはやめようと思いました。

 そうすると,80番台の決定版とされる,84.43を試すしかありません。速度もさることながら,安定性やバグの少なさにも定評があり,このドライバでなければ満足に動作しないゲームがあったりするそうです。余程のことがなければこれでいこうと,ベンチマークを取ってみます。

GDI3789
Text 997
Square 1106
Circle 1039
BitBlt 647

D2D2155
Sprite 10 76.49 FPS (7)
Sprite 100 71.31 FPS (71)
Sprite 500 54.69 FPS (273)
Sprite 1000 42.31 FPS (423)
Sprite 5000 13.37 FPS (668)
Sprite 10000 7.13 FPS (713)

OGL1619
Scene 1957
Lines (x1000)(121836)
Scene 2 CPU(32)
Scene 2 Score662
Polygons(23481)
Scene 2 CPU(16)

 なんか,84.21と94.24のいいとこ取りっぽいスコアが出ました。どう評価していいか分かりませんが,スプライトについても30FPS以上なら見た目にあまり影響はありませんから,むしろ高負荷でもフレームレートが下がらないことを重視して,このドライバを使うことにしましょう。絶対性能も大事ですが,いわゆる安定性は評判によるところが最もあてになることですし。


 さて,ベンチマークはいいとして,実際の地デジ視聴はどうかというと,かなり改善して,音切れがなくなったのはよいとして,それでも時々カクカクします。我慢できないレベルではありませんし,これで安定して動いてくれれば,DVIを使って接続できるメリットを考えると,これでいいかと思うレベルです。

 CPU負荷をみると,最新版のドライバに比べてかなり下がっており,以前は60%を下回る事などなかったものが,今は30%台後半になる事も多く,平均して40%中頃という感じです。オンボードの時はもう少し低かったのですが,まずは一安心です。

 スタンバイ/復帰のテストも一応合格,温度上昇も思ったより低く,GeForce6200Aのチップ温度は50度ちょっとで安定しています。録画したデータのドロップもありませんでしたから,これでしばらく運用して問題がなければ,これでいこうと思います。

 いろいろ思うことはあったのですが,新しいドライバがよいとは限らないという話は,結構私にとっては斬新な考え方でした。考えてみると,ドライバといえどソフトウェアなわけですから,CPUが高速になり,メモリが増えると,ドライバだって重くなるのが常です。機能も増え,チューニングも進む一方で,新しいCPUを期待した設計になっていることも当たり前な話ですから,PCの世界というのは常に最新の状況で使わないと恩恵にあずかれないものなんだと思いました。

 それにしても,Windowsの世界というか,自作の世界というか,グラフィックボードの世界というか,つくづく奥が深いですね。Mac使いの私としては,知らない言葉,分からない習慣など,右往左往することばかりでした。楽しいとは思わなかったところが私が自作の人ではない証なのでしょうが,それでもインターネットの力といいますか,2chの力というのはすごいものです。ネットワークに繋がって共有された情報の強さもつくづく感じました。

 知識の共有と蓄積は,文字の発明に始まり,印刷の発明で爆発,そしてコンピュータとネットワークの発明で加速し,すでに人類の機能の一部となっている感さえあります。コンピュータとネットワークによって新たに産み出される情報量は毎日毎日膨大な量になっているでしょうが,こうなるともはやすべての情報に精通するのは不可能であり,これまで以上に特定分野の専門分化が進むことでしょう。評論家やコメンテータがもっと増えちゃうんでしょうね。

Turbo.264HDを買いました

 先日実家が地デジに移行を試みた(実はその試みは完遂できず)ことで,いよいよ地デジも身近な存在になってきたんだなあと思うこの頃ですが,私は私で,番組アーカイブのワークフローの最終局面,エンコードをどうするかという壁にぶち当たっていました。

 私は動画マニアではありませんが,録画したものを捨てるのも惜しいという根っからの貧乏性で,つまるところ私が欲しいものは「残した」という事実だけなのかも知れません。

 奮発してMacBookProを買ったわけですから,高速なCPUを有意義に使い切り,高速なH.264/AVCエンコードを期待したのですが,あれこれやってみてもなかなか速度が上がらず,Core2Duo口ほどにもなし,と思っていました。

 Macでソフトエンコードを行う手段としては,ffmpeg,Handbrake,iSquintなどがあります。いずれもフリーで使えるものだと思うのですが,有償のものはあまり話を聞かないので,あまりよいものではないのでしょう。

 Handbrakeの評判が良いようですが,これはMPEG2-TSを直接読めないので私としてはNG。別に音声トラックを分離すれば良いだけなのですが,それに5分もかかってしまうようだと,ちょっと手間ですよね。

 個人的にはiSquintが良い印象でした。操作がシンプルで速度もまずまず,画質も悪くはありません。MPEG2-TSを直接処理できることもポイントが高いのですが,それでも実時間の3倍程度かかってしまいます。(1440x1080のMPEG2-TSを1280x720のH.264/AVCに変換した場合)

 エンコード中,CPU負荷はほぼMAX。ファンも回りっぱなしで,これが1時間半も続くのですから,電気代にも変化があるのではないかと思うほどです。仮にですよ,1時間の番組をCMカットして48分くらいにして1クール13話を処理すると,エンコードだけで約40時間もぶっ通しで動かし続けないといけません。これはしゃれになりません。

 しかもCMカットをしないといけませんし,元のデータが大きいだけにファイルのコピーだってそれなりの時間がかかります。これはもう普通の人がするような作業ではないですよ。すごいなーアニヲタの熱意というのは。

 地デジ専用マシンのATOM330でエンコードもやってしまえばいいんですが,おそらく今の倍は時間がかかるでしょう。試したことはありませんが,CPU負荷も最大になるでしょうから,途中で録画が入るようだと,ドロップしてしまうに違いありません。恐ろしいことです。

 てことで本当に残しておきたいものはMPEG2-TSのまま残せばいいとして,消すには惜しいし,と言う程度のものをどうやって残すかが,目下の所のテーマだったわけです。

 そこで,私は,高額だったにもかかわらず,ハードウェアエンコーダという禁断の果実に手を出すことにしました。

 Turbo.264HDがそれです。

 Mac専用のハードウェアエンコーダで,ソフトエンコードの3倍は高速だという触れ込みです。USBに取り付けるドングルで,ソフトも専用のものをつかいます。

 ソフトは簡単に使えるように,主立った設定はプリセットとして登録されていますが,細かいパラメータは無理としても多少の設定変更が可能になっています。

 価格はamazonで約18000円。高いなーと思いましたが,製品版のソフトエンコーダも軒並み1万円を越えるわけですし,ハードウェアによるアクセラレータがこの値段ならよいのではないかと,そんな風に思って買うことにしました。

 USBドングルになっていて,720や1080のHD画像が扱えるハードウェアエンコーダというのは案外Windowsには少なく,高速で簡単に使えるエンコーダがMacで使えるようになっていることは,大変ありがたいことでもあります。

 早速試してみたのですが,iSquintで90分かかった処理が,Turbo.264HDでは25分ほどでした。だいたい3.6倍ほどですか。これは確かに速い。実時間よりも少し速いくらいの速度が出ています。

 しかもCPU負荷が下がっているのですから,うれしい話です。

 ただ,本当にCPU負荷がないようなアクセラレータだというなら,安いMacBookとかMacMiniでもいいはずです。しかし,Turbo.264HDの場合,一部の処理はCPUが行っています。だから,CPUが高速なマシンで使うと,さらに高速化が可能という話になっています。

 ということはですね,SnowLeopardでGrandCentralDispatchやOpenCLが使えるようになって,専用アプリが対応をしてくれると,Turbo.264HDもさらに高速化できるという事になります。なかなか楽しみです。

 CABACの様な重い処理をおそらくTurbo.264HDでやらせているのだと思いますが,どんな処理をどこまでやらせるのか,というところは,システム設計においては重要な問題で,今回のTurbo.264HDも随分と議論があったのではないのかなと思います。


 出来上がった動画は,特別綺麗というわけではありませんが,もしサイズの小さい画像なら,本当に実時間の数倍が出てくるようになるかも知れません。iPodTouchやアドエスで気軽に動画を持ち出せるようになると,かなり面白くなってくるように思います。

 実際の運用に突っ込んでみてどこまで安定するかも大事なことですが,現時点ではかなり強力な武器を手に入れたと考えています。うまくするとドラマ1クールが2層のDVD-R1枚に入るようになるのですから,大したものです。

 とりあえず,来月くらいから本格的な運用に入ってみようと思います。もう少し使い込んで,最適な設定を見つけることも必要ですし,とにかく数をこなして傾向をつかむ必要はあると思います。

ああコダクローム

 いよいよこの時がやってきたという気がします。そう,コダクロームがいよいよ製造中止になるそうです。

 日本での販売中止の際にもちょっとした祭りになりましたが,それでも製造は継続しているし,アメリカでは手に入り,現像だってアメリカで出来ましたから,いざとなればコダクロームを使う事は不可能ではないと,一種の安心感を伴っていたことは間違いないと思います。

 しかし,今回は本当に終わりのようです。私が読んだ記事では,2009年で提供を打ち切る,現状の消費ペースでは今年の9月頃までは手に入るだろう,と書かれていました。また,世界で1つしかない現像所である米Dwayne's Photoは,2010年中は現像を受け付けるということでした。

 この表現がちょっと微妙だなと思うのは,今年いっぱいで提供をやめる,ということです。すでに新規製造は行わず,今仕込んでいる分を作り終えたらもうオシマイですよ,という意味で,残りの数は決まっているから,遅くとも今年中に売り切れてしまうだろう,という感じのニュアンスです。

 せめてもう1年続けてくれれば75周年だったのですが,もう1年維持することも難しいという事でしょう。報道では売り上げが下がってしまったということを理由に挙げていましたが,こういうケースでは製造設備の老朽化も原因だったりしますので,1年の延命というのはなかなか難しいものがあったりするのかも知れません。

 製造が難しく,バラツキも経年変化も大きなフィルムで,かつ現像も特殊で複雑ななプロセスを必要とする一方で,抜群の耐久性と保存性能の高さで貴重な記録を長く残せること,そして世界初のカラーフィルムとして登場以来世界中の光を取り込んで来た事で,どれほど情報の伝達と保存に貢献してきたかはかり知れません。

 以前にも書きましたが,コダクロームの欠点は工業製品としては容認できないものであり,それらが改良されて行くことは正しい進化の過程です。世の中見渡してみると,便利で性能の良いものが生まれれば,それ以前のものは淘汰されていくものです。

 しかし,コダクロームには,それら欠点を補って余りある魅力がありました。工業製品として,あるいは経済原理だけで判断されない,芸術や文化と言った側面にまで,コダクロームが根を下ろしている証拠でもあります。

 本来,外式の欠点を克服するために生まれた内式のリバーサルが登場した時に,外式であるコダクロームはなぜ消えることがなかったのか,また世界中で内式と外式の両方の製品を持ち続けたのはコダックのみだったのはなぜか,少し考えてみるよい機会なのではないかと思います。

 内式外式,ネガポジ,カラーモノクロにかかわらず,そもそもフィルムの使用量が激減し,いつなくなってもおかしくない状況にあります。文化と芸術に影響のある工業製品が淘汰されることが本当に容認されることなのか,だからといってメーカーだけが負担を強いられることが正しいのかも考えなければならないところまで来ているように思います。

バケペン

 昨日少しだけ早く帰宅した私は,足下の箱に入っているバケペンに目をやりました。まあ,すぐに修理が出来るわけではないけども,どんな様子かさっと見るだけ見てみようかと思って,あちこちいじり回しました。

 昨日のオリンパスペンEEDと違って,こちらは相当使い込まれています。汚れもひどいですし,程度も良くないような印象です。プロ用のカメラなのですから酷使されていて当然ですが,不思議とラフに扱われた感じはないんですね。

 ボディマウントキャップを外してみると,ミラーが半分上がった状態です。一眼レフでミラーが中途半端な状態で止まっているのを見るほど,嫌なものはありません。しかし,バケペンの場合,電池がないのにシャッターを切るとミラーが半分くらいで止まり,シャッターは開きません。まあこれはこれで良い仕組みですね。

 しかし,本当に壊れているのかも知れません。

 あと,困ったなあと思うような破損もありました。バケペンはファインダーを取り外すことが出来るのですが,外したところから銅か真鍮のチェーンがだらーっと垂れ下がっています。

 手持ちの本で調べて見ると,これは絞りの情報をファインダーに伝達するための仕組みだそうです。私の個体はTTLファインダー付きでしたので,ファインダーに内蔵された露出計に,絞り情報を伝達する仕組みとして利用されていたはずですが,チェーンが切れてしまっているので,まったく機能しないと思われます。

 手始めに,このチェーンの様子を確認してみました。

 見事に途中で切れています。なぜこんな風に切れたのか分かりませんが,プーリーにかかる部分が切れていることから察するに,プーリーからチェーンが外れてジャムったところで,無理に絞りリングを回したとか,そういうことではないかと思います。

 切れたチェーンをどうやって修理するかですが,潔く交換したいところです。太さ1mm程のチェーンがあればいいんですが,少なくとも手元にはありません。幸いハンダが乗る素材ですから,チェーンの輪を1つ開いて,切れたチェーンを繋いでハンダ付けしてみます。

 一応うまくいったのですが,組み立て後何度か連動機構を動かしているうちにまた切れてしまいました。再びハンダ付けをしたのですが,ハンダ付けでは思った以上に強度が不足しているのかも知れません。

 続けて,シャッター機構の確認です。電池の代わりに電源器を6Vの設定して繋いでみますと,なんとまったく問題なく動いています。シャッターダイアルの設定でシャッター速度も変わっています。1秒のはずが0.8秒くらいなので,調整は必要でしょうが。

 また,ミラーの開閉が粘っています。開くときはいいとして,閉じるときにゆっくり落ちてきます。油ぎれか,腐ったモルトでしょうね。

 シャッターについては,少なくとも電気系は無事です。メカもそんなに複雑ではないので,ばらして掃除して給油するくらいはなんともないと思います。難しいのは調整でしょうか。

 とにかく,あちこち動きがとにかく渋い。全バラシをしないといけないのでしょうが,今の私にそれに取り組む覚悟がまだ出来てません。あと,気をつけたつもりだったのですが,取り付け場所不明のスペーサが2枚ほど出てきてしまいました。これでもうフィルム面もしくはフォーカシングスクリーンとの平行が確保出来なくなってしまいました。ああ,なんたる失敗。

PENの四角いシャッターボタン

ファイル 305-1.jpg

 かつてminoltaCLEの故障品(断じてジャンクではない)を気軽にチャレンジして下さいと,快く私の修理技術向上のために提供して下さった方が,またありがたいことに要修理品を提供して下さいました。

 思えば,辛く支えを失った時機にも,へし折れてしまわなかったのは,自己表現と自己主張としてのカメラ修理に没頭したことと,これをいろいろな形で支援して下さった方々のおかげです。

 今もどん底の状態で夢も希望もありませんが,どん底も慣れてしまえば都です。人間というのはかくも都合のいい生き物かと思います。

 CLEは私の修理カメラの中でも,非常に意味のある1台です。Mマウントレンズが使える距離計連動型のカメラで,今なお人気の衰えない憧れの名機であったことはもちろんですが,メカではなく電気回路が故障していたため通常の修理が不可能であった状態から,同じ働きをする回路をPICマイコンで作り直して復活させたという,マイコン応用工作技術の数少ない実用例でもあるのです。ゆえに愛着も大きいものがあります。

 距離計の調整も経験しましたし,コシナの安物レンズばかりとはいえ工作精度の良い金属鏡筒の質感を連動する距離計と共に楽しんだり,レンジファインダー機ならではの対象型広角レンズを使ってみたりと,一眼レフとは別の世界に足を踏み入れた点でも画期的でした。

 機材が増えすぎた(防湿庫がいっぱいになった)ことで最近ジャンクカメラの保護とレストアは自重気味な所があったのですが,未知の分野として残っていたのが,ハーフサイズと中判です。

 中判はしゃれにならないので手を出さずにいるつもりだったのですが,ハーフサイズについては,かなり本気でした。というのも,かつてサムライZのレストアに失敗しているからです。

 あの時は,レンズがダメだったんですよ。カビかなと思っていたら,貼り合わせガラスのバルサム切れだったというオチでした。結局それが分かるまで分解を続けた結果,組み立て直す気力も失せて,その日のうちに廃棄したという苦い記憶が甦ります。あれ,5000円ほどもしたっけなあ。

 何年か前,ハーフサイズのブームが起きて,その代名詞であるオリンパスペンの人気が再燃,価格も高騰したことがありました。今は落ち着いているような感じですが,ハーフサイズのカメラには「ハーフサイズであること」以外の魅力にあふれたカメラが多いのも,とても面白いことだと思います。

 そんなわけで,オリンパスペンを機会があるごとに見てはいたのですが,そこそこの程度のものでも結構なお値段で,逆に安いものは復活させられそうにないくらいの程度の悪いものしか見つけられず,お手頃なものがなかなか見つかりませんでした。

 そこへ,先程のCLEの方から,突然の申し出を受けます。送られて来た段ボール箱に入っていたのは,オリンパスペンEEDと,なんとアサヒペンタックス6x7の2つ。

 いやーこれが「バケペン」ってやつか,まぢで化け物だなこいつは,などと6x7を手に取り,思わず及び腰になります。

 そしてその脇にあった,ボクシーで小綺麗なカメラが,ペンEEDでした。

 あれ,ペンってこんな形だっけ?

 そんな風に思ってgoogle先生に相談してみると,なんでもEEDは高級機で,F1.7の明るいレンズにオリンパス謹製の絞り兼用シャッターとプログラムAEを搭載したものだそうです。しかし形は他のペンとはちょっと違っていて,丸みがなく角張っています。このあたりが異端児と呼ばれるゆえんなのでしょう。

 またレンズは意欲的なスペックですが,当時の工作精度から当たり外れがあるらしく,これがこのレンズ(というかカメラ)の評価を二分する理由になっているのだろうという意見もありました。確かにこのレンズの描写については,いいという人と今ひとつという人に別れているように感じました。

 高級機であったにもかかわらず,生産台数は非常に多いという事ですが,しかしあまり中古店の店先で見ることがないんですよね。

 個人的に,このEEDは手に取った瞬間からとても気に入りました。カメラらしさは大きなレンズにやどります。ややオフセットしたレンズを,直線が取り囲むデザインはシンプルでとても綺麗です。技術的に好ましいと思ったのは,セレンではなくCdSを使っていることでしょう。セレンはもう修理出来ませんし,代替品を探すのも面倒です。CdSならストックもあるし,使い慣れています。壊れてもなんとかなります。(ついでにいうとレンズの周りにあるセレン用の複眼が苦手です)

 送って下さった方のコメントによると,電池を入れても動作しない,赤ベロが出るとのこと。赤ベロ?

 ペンEEDは,測光結果が撮影可能範囲を超えてしまうと,ファインダーに赤いベロを出してシャッターボタンをロックします。(この状態でセルフタイマーを動作させてしまいどうにもこうにもならなくなって慌ててしまったのですが,現代ならこの設計はNGでしょう)

 これを赤ベロというそうですが,電池が切れている場合も同様になります。測光系に異常があるのではないかというのがその方の意見です。なるほど。

 外観はスレなど使用感もありますが,その割には小綺麗になっています。なかなか程度が良さそうに見えますが,これは後で謎が解けます。

 レンズはカビも傷もなく,とても綺麗です。変色もヤケもなく,まるで新品のようです。いつもそうなのですが,レンズを見ると,どんなに忙しいときでも修理をしようとやる気がわいてきます。しかし,レンズの正面には分解痕があります。この固体は既に誰かに分解されていますね。中古屋に出すこともオークションに出す事も,控えねばなりません。

 ファインダーは内側がやや曇っているし,ゴミも入っています。掃除が必要でしょう。

 絞りをAUTOにせず,固定にするとマニュアルでシャッターが切れます。速度を変える手段がないのでストロボ撮影用です。動作させてみるとガバナーの音が目立ちますが,一応シャッターはちゃんと切れるようで,ありがちな羽根の固着もないようです。速度が出ているかどうかはわかりませんが,ガバナーのきき具合から考えると,1/15秒とかそれくらいでしょうか。

 さっと表面の汚れを拭い,電池ケースを開けてみますが,液漏れもなく,目視で怪しい部分はありません。これは本当に内部の電気系が死んでいるのかも,と思いながら,電源器を1.5Vに設定して繋ぎます。やはり動作しません。やっぱり電気系かぁ・・・

 電池ケースの断線もあるだろうと底板を外してみるのですが,期待に反して電池ケースの断線はありません。ハンダできっちりくっついています。

 接触不良の可能性もあるなと,この配線に直接電源器を繋いで試してみると,なんとあっさり動いてしまいました。

 明るさに応じてシャッター速度も変わるし,絞りの開度も変わります。

 ということで,本体は分解をしなくても良さそうです。せっかく中身を勉強するチャンスだったので,内心残念な気持ちもありましたが,ちゃんと使えそうな個体を無理に分解して壊してしまうかもしれないというのは,私の考え方には沿いません。

 各部の清掃をしましょう。軍艦部を外します。油はもう切れているような感じですが,清掃を必要とするような汚れもなく,大変綺麗です。ただ,CdSの受光窓に貼られたモルトは腐ってボロボロになっていました。ささっと張り替えます。

 ファインダーを外し,綿棒を使って清掃します。曇っていることも考えましたが,幸いそれもなく,綺麗になってくれました。ASA表示とフィルムカウンターの表示窓を磨いて,綺麗になったところで軍艦部は終了。

 続いて底部です。本体内部に貼られた遮光用のモルトはこちらも腐っているので,張り替えることにします。約40年経過していますから,当時のモルトがダメになっているのは当たり前の話です。

 そして問題の電池ケース。どうすれば確実に通電できるかを考えたのですが,マイナス側に接触する金属のバネと,これを固定する真鍮製のビスを直接ハンダ付けしてしまえばよいのではないかと考えました。

 しかし大失敗。なかなかハンダが付かず,電池ケースが熱に耐えきれず溶けてしまいました。もうビスでバネを固定することができません。

 仕方がないのでバネとビスを外し,先にハンダ付けした後,電池ケースの別の場所に穴を開けて固定する作戦に切り替えます。しかしここでも失敗。どうもこのバネはステンレス製のようで,ハンダが乗らないのです。

 さて困った。ここで私はステンレス製のバネに通電性を期待せず,あくまでバネ性だけを頼ることにしました。通電はリン青銅板をバネと同じサイズに切って重ね,ここに直接ハンダ付けした導線で確保します。

 もともとMR9という水銀電池など使うつもりもないので,SR44の縁に1.5mmくらいの厚みのスポンジテープを巻き付けて代用します。

 長めのビスに交換し,電池ケースに穴を開けてバネを固定し,脇にもう1つ開けた穴から導線を通してハンダ付けします。これで理屈の上ではばっちりなはずです。

 電池の底と縁でショートしないように絶縁テープを貼り付け,一応の対策を行ったあと組み立てて確認すると,問題なく動作してくれています。

 問題なく,とはいいましたが,露出計の値を読み取ることが出来るわけではないので,あくまで明るさに応じてシャッター速度と絞りが変化していることを確認しているだけです。それっぽい感じで変化しているので,そんなに大幅にずれているという感じはしません。

 センチュリアの生産が終了して,安いフィルムのユーザーが難民としてさまよい歩く昨今,36枚撮り一本で72枚も撮影できてしまうハーフサイズカメラは,登場時の「フィルムを大事に使う」という本来の目的で,再び評価されるようになるかも知れません。

 考えてみると,デジタル一眼の主流であるAPS-Cサイズというのは,ハーフサイズと似たような大きさです。35mmフィルム換算の焦点距離にするのに,どちらもざっくり1.5倍します。もしかすると,このあたりの大きさが古今東西,経済的合理性によって収れんした結果なのかも知れないですね。

 さて,一通り動作確認をし,清掃を終えて,最後の仕上げに裏蓋のモルトを交換します。さぞボロボロになっていることだろうと思っていると,意外にしっかりしていて,綺麗です。さすがに弾力は失われつつあるようですが,遮光機能は十分果たしそうな感じです。

 ・・・うーん,これは一度誰かの手によってレストアされているんじゃないのかなあ。

 分解痕があり,シャッターもレンズも綺麗であったことから,素人さんによるメンテが行われたのではないかと思います。モルトの交換も行われているということでしょう。しかし軍艦部や底板を外したわけではないようで,この部分の内側に使われているモルトはボロボロのままでした。

 加えて電池バネのビスは頭がなめていました。接触不良を直そうとして,ビスを締めたかゆるめたかした際に,潰してしまったのでしょう。

 よく見ると,張り皮も大変綺麗です。40年も経過すれば薄汚れてしまうものですが,この綺麗さは張り替えがなされているのでしょう。

 全体にとても大切に維持されていた印象で,この様子だと前のオーナーは動作しなくなった時にきっと悔しかったのではないでしょうか。

 最後の最後に,各部のスミ入れです。白と赤と黒とオレンジの4色でスミ入れを行っていきます。どういうわけだかエナメルシンナーのボトルが行方不明になってしまい,捜索作業に時間がかかってしまったことは内緒ですが,ともあれ作業完了。白い文字が鮮やかだと,本当に全体の印象が変わってきます。

 試写はこれからですが,機構的に問題はなさそうですし,電気的にも確実な動作はしています。調整がずれていることは心配で,せめて無限遠くらいは確認しておこうかと思ったのですが,シャッターを開放に出来ないカメラですから面倒なのでパス。フォーカスも目測で行う程度のものですし,絞りの値もコロコロ変わるので被写界深度も不定というカメラですから,あまりこだわっても仕方がありません。

 実は今週末,所用で実家に戻ることになっています。今回は滞在期間も短いしカメラは持参しないつもりでいたのですが,このペンEEDのテストを行うのに絶好の機会です。24枚撮りのセンチュリアスーパーを詰め込んで,試し撮りをしてきたいと思います。

 今回も,また他の人の好意を受けてしまいました。その時々でふと私のことを思い出して下さるから,声をかけてくれるのでしょう。なんとありがたいことでしょうか。

 私がこうしてペンを手に入れて喜んでいると,ちょうどオリンパスからペンを関したデジタルカメラが登場しました。E-P1がそれですが,なかなかかっちょいいですね。

 いわく,ペンのフィロソフィーを継承ですか・・・確かに個性的なメカニズムや大きさ,デザインなどはそうかも知れません。しかし大事なことを忘れていませんか,オリンパスさん。

 ペンは,6000円で売れるカメラを作れ,が設計者への指示でした。性能で妥協せず価格を下げるために斬新な機構を盛り込んだことが,ペンの一番大事なフィロソフィーじゃないでしょうか。

 レンズ込みで10万円を越える高級機がペンというのも,なんとなくしっくり来ません。確かにペンFは1963年当時25000円もした高級機でしたし,今回のE-P1はFをモチーフにしているのも分かります。かつてのペンの低価格とお気楽さは現在のコンパクトデジカメが担っているという点で,この作戦しかないことは理解できます。

 でも,これはすでにペンではなく,オリンパスがかつて出し損ねた,ContaxTやContaxG1,Nikon28Ti,GR1,TC-1やHEXARなどの高級コンパクトカメラのフィロソフィーなんじゃないですか。ペンならスニーカーであって欲しかったなあと,私は思います。

 ・・・でもかっちょいいなあ,欲しいなあ。


 さてさて,バケペンですが・・・

 これはもう圧倒されっぱなしで,手に取るとため息がでてそのまま箱に戻してしまいます。大きいですし,時期的にはAsahiPentaxESあたりと同じ時期ですので,修理や分解はそんなに難しいとは思っていませんが,20cmもあるような巨大ムカデに遭遇したような恐ろしささえ感じてしまうのです。

 レンズもありませんし,フィルムもありません。というか中判なんか使ったこともありません。当然自分では現像も出来ませんし,スキャンも出来ません。ないないづくしのなかで,バケペンの修理に取り組むには,もう少し準備が必要かなあと思っています。

地デジアンテナブースタの効き目

 地デジ導入にあたり,テレビ神奈川が安定して受信できていないことは,先日もここに書きました。そしてアンテナブースタを使ってみようという話になっていたのですが,この前の土曜日に手元に届きましたので,試して見ました。

 実は私もエンジニアの端くれですので,アンテナブースタなんてのは「初歩のラジオ」に製作記事が出てくるくらいの簡単なもので,中学生の教材だとなめてかかっておりました。

 その実,今まで何度か作ってみましたが一度として満足行く結果が得られたことはなく,ブースタを間に入れない方が受信感度が高いとか,ブースタに使ったICがなにやら熱くて指をやけどしたとか,まるでドジっ娘さながらの鈍くささです。

 しかし,ブースタも買えば何千円も何万円もする代物です。結局最終的に綺麗に受信できるようになればよいわけですから,数百円で自作出来ればそれが一番良いわけです。

 そう考えて取り組んでも一度としてうまくいかない私は,すっかり高周波に苦手意識を持つようになりました。世の中頑張ってもどうにもならないことというのがあるものです。

 そんなわけで,テレビ神奈川が安定して受信できるように,都合3種類のブースタを作ってみたのですが,いずれも失敗。こんなにうまくいかないものかと,原因を探る気にもなりません。

 もうあきらめて,ちゃんとしたものを買おう,メーカーの軍門に下った私は,googole先生と相談の上,1つの機種に行き着きました。

 YAGIのアンテナブースタでDPW02という機種です。ゲインは2倍,アンテナ直下に取り付けることも可能な防水仕様で,電源部は室内におけるように分離されています。価格は約4200円ですが,安い割にはなかなか評判もいいようです。

 私の場合,集合住宅ですので,共聴システムの一部としてアンテナブースタは入っているはずです。しかし,建て屋全体でそこにぶら下がる機器が多かったりするとレベルは下がります。こういう場合,室内に個別のブースタを用意すると改善するそうで,実はアンテナブースタのメーカーもそういう使い方で効果が出るように,作るんだそうです。

 これが一戸建てで,アンテナからのレベルが元々低いものを室内に用意したブースタでパワーアップしようとしても,元々小さい信号ですから大きくするにも限界があるんだそうで(どうも私にはこのあたりがピンと来ません),一戸建てではアンテナ直下が原則になるようです。

 まあそんな,ピンと来ない話だらけの高周波には苦手意識というか海千山千の怪しさを感じる私ですが,だまされたと思って届いたブースタを使ってみますと,これがまた見事に改善されるんですね。

 あくまで参考値ですが,私の環境で,テレビ神奈川の受信レベルがブースタなしで約17dB,これがブースタを入れると23dBとなり,ちゃんと6dB(2倍)アップしているんです。

 いや,これだけ数字がぴたりと合えば気持ちがいいです,私の場合,この値が20dBを越えるくらいだとドロップもなく安定受信できるので,変動しても20dBを切らないように出来たこの状況は非常にありがたいと言えます。

 思えば私の場合,テレビ神奈川は受信できたり出来なかったりという当落線上にありましたから,ブースタで少しかさ上げすれば救える状況だったといえるかも知れません。だからこそブースタを導入することで,安定受信できた,という結論が得られたのでしょう。

 問題がないわけではありません。何せ電源が必要な装置がアンテナ線の真ん中に入り込んでいるわけですから,停電があったり故障があると,電波が完全に遮断されてしまい,全く受信できなくなってしまいます。ブースタなしだとテレビ神奈川以外はきちんと受信できているわけですから,これはハイリスクハイリターン,といえなくもありません。(おおげさです)

 ですので,このアンテナブースタの電源部も,UPSから電源を取ることにしました。これで停電も雷もばっちりです。

 今回は,さすがにメーカーの底力をみました。ちょっとハンダ付けが出来るくらいのエンジニアが暇つぶしにちょこっと作る程度の工作で出来る事なら,4000円や5000円くらいで市販されるはずもありませんわね。

 地デジに特化してあることで,帯域を狭めて効果を高めることが出来るとか,新しい素子を使っているとか,この時代ゆえの事情もあるでしょうが,このくらいのお金で問題が解決すれば安いものです。

 集合住宅で,出力の小さな地方局の受信が出来たり出来なかったりという方は,このアンテナブースタを使うと,保証はしませんが,幸せになれるかも知れません。
 

LCDモニタも買いました

 最近はLCDモニタが安いですね。ここしばらくのうちに引っ越しがあるだろうと思っている私は,8年ほど前に購入したシャープのLCDモニタ&テレビLL-M1500Aをしぶとく使っていました。15インチXGAですが,画質はなかなかよく,TVチューナーもD端子もビデオ入力も搭載し,あげくリモコンまで用意されているという,とてもありがたいモデルでした。当時10万円近くしたんですよ。

 私のマシンがノート型に移行するに伴い,このこのモニタは単なるテレビに成り下がっていたのですが,先日のATOM330マシンを地デジマシンに仕立てたことで,LCDモニタ本来のお仕事に返り咲きました。

 しかし,15インチのXGAで地デジは,あまりに厳しい。まるでネットブックで見ているようです。非常に不満だった私は,緊急LCDモニタ選定会議を招集しました。

 第1回目の結論は,機種選定に適当なものはなし,よって見送りでした。というのは,やはり入力端子と価格のバランスの問題でした。

 条件として,(1)アナログRGBがあること (2)コンポーネントもしくはD端子があること (3)スピーカー内蔵 (4)HDCPに対応した端子があること (5)大きさは20インチまで (5)マシン性能がプアなのでフルHDは無理 が挙げられます。コンポーネント端子というのが足を引っ張る条件なのですが,これは今私が使っているDVDレコーダを捨てるわけにはいかないので,必須になります。

 しかし,日本独自規格のD端子はもちろんのこと,コンポーネント入力による525iや525pが入るディスプレイはAVモデルを標榜しており,なかなか高価なのです。

 今時,20インチ程度のワイドモニタなら,1万円台前半で買えます。解像度が低くて良いなら1万円を切るものもありますが,これらはアナログRGBとDVIがあるくらいで,コンポーネント入力やD端子があると,チューナーまで内蔵して6万円とか,そういう価格になってしまいます。

 安いものを探してチューナー3万円というのを見つけましたが,それでも倍の価格ですから,躊躇したのです。

 LCDパネルの価格が下がり,素モデルであるLCDモニタの価格が暴落しているのは知っているので,もし本当に買うなら今なのだけど・・・とあきらめきれず,google先生に相談します。

 するとさすが先生,面白い情報が出てきました。一部の三菱製LCDモニタには,アナログRGBと兼用で,コンポーネント信号が入力できるようになっているようなのです。その場合,525pは問題なく表示され,525iについても簡易表示が可能という話なのです。

 ただし,このコンポーネント入力に関しては説明書にもほとんど説明がなく,市販のケーブルを使ってくれとあるだけです。カタログやWEBにも,AV機能を強化と書いてあるだけで,具体的な話はほとんどありません。

 しかし,先生が教えてくれた情報によると,三菱のLCDモニタのうち,RDT192WLM,RDT204WM-S,RDT223WM,RDT223WM-S,RDT241Wの5機種については,コンポーネント信号の入力が可能ということです。

 本当かどうかはわかりませんが,一応考慮すべきでしょう。

 一方,私はモニタについては三菱のファンで,それはトリニトロンブラウン管の特許が切れた直後に類似の構造と性能をもつ,ダイヤモンドトロンを商品化した90年代前半からでした。

 高い性能に不相応な低価格でコストパフォーマンスは非常に高く,真面目なものづくりから,働いているエンジニアのきまじめさが目に浮かぶようですが,一方でこれで儲かるのかよ,と思うと気の毒な気持ちになる事が多い三菱製品。そういうバイアスもあってか,私もモニタを選ぶときはまず三菱から選ぶようにしています。

 弟が買ったモニタも三菱でしたが,満足度は高いと言っていましたし,お金にうるさい古い友人も結局三菱にしたといっていました。彼らのようなうるさがたが三菱で満足なら,私ごときに不満の出るはずがないでしょう。

 かくして,20インチ程度のモニタとしてRDT192WLM,RDT204WM-Sの2機種を考えてみます。RDT192WLMは最安値で14000円となかなか安いのですが,1366x768と今使っているモニタに対し,横幅が広がっただけになっています。これは少々つまりません。

 それではとRDT204WM-Sを見てみると,こちらは1650x1050とかなり広いです。先日組み立てたマシンは,最新のBIOSにすることでこの解像度に対応することは分かっていますので,接続性も問題なし。価格はわずかに2万円を切るという感じです。

 6000円の差をどう考えるかですが,PS3を繋ぐことも考えると,やはり解像度は高い方がいいです。ピッチもRDT192WLMが0.3mmに対しRDT204WM-Sは0.258mmとよい細かさです。(私の好みの問題です)

 安いお店を探してみると,昔良い対応をしてくれたお店が引っかかりました。迷わずここにお願いすることにします。木曜日夜の注文で,土曜日の午後に届けてくれました。

 私は開封して気が付いたのですが,この機種はHDMIが搭載されていたんですね。DVI-DをHDMIにするケーブルを別に買わないといけないなと思っていたのですが,これはちょっとうれしい誤算でした。

 さて,古いモニタを処分して,新しいモニタをセッティングします。

 このモニタ,基本性能は素晴らしいのですが,かなりコストダウンをしています。重量のある大型モニタは筐体をしっかり作ったり,アームに金属を使ったりと,なにかとお金のかかるものなのですが,このモニタは6kgと軽く,アームと言うよりスタンドは全部プラスチックです。高さを調整する仕組みは,2cm程のブロックを積み重ねる方式で,一緒に見ていた友人は「レゴみたい」と大受けです。でも,これはかなり合理的な方法です。私はこの仕組みが大変気に入りました。

 画質の調整などは,ほとんどいじっていません。そのままでもう十分だと思います。ただし,バックライトが明るすぎるので,一番暗くしてあります。それでも明るくて困ったものです。

 それ以上に困ったのが音質の悪さです。ICレコーダの内蔵スピーカよりも悪いんじゃないか,もしかすると電話並みじゃないかと思うほど音が悪く,これはちょっと使えません。外付けのスピーカが必要になるのですが,どうせスピーカを付けるならもう少し使えるものが欲しかったし,この程度のものなら潔く付けないでいてくれた方が良かったように思います。

 心配していたコンポーネント入力については,あっさり解決。というのも,数年前に購入したプロジェクタ用に,コンポーネント入力ケーブルを自作していて,どうやらこのケーブルがそのまま使えそうだったことが分かっていたのです。DVDレコーダに繋いでみると,あっさりと表示が出ます。どういうわけか,525iでも525pでも問題なく映ります。

 こうなってくると,次の問題は入力の切り替えです。このモニタはアナログRGB,DVI-D,HDMIの3つがあり,切り替えが可能なのですが,アナログRGBとコンポーネント入力は共用です。市販のRGB切り替え器は,全線切り替えならいいですが,そうでない電子式の切り替え器などはコンポーネント入力に対応しませんので使えません。

 1650x1050ドットの高周波信号を劣化せずに伝送するのは切り替え器を挟むと難しいでしょうから,面倒でも手でつなぎ替えることにします。そのうちDVDレコーダも使用頻度が落ちることでしょうし。

 HDMIはPS3につないで見ますが,ちゃんと1080pが受けられています。これでBDも楽しく見れることでしょう。

 グレアパネルには賛否両論があるでしょうが,今回の用途と,私が元々グレア派であることから,歓迎すべきポイントです。しっかりしたARコート施し,光源の位置を調整すれば,ノングレアにする必要などない,というのが私の持論です。

 ということで,本格的にモニタを運用してみて,2万円は安いよなあとつくづく思いました。私は画質にこだわりもないし,このマシンでは写真の編集もしないので,そんなに高価なモニタは必要としていません。必要以上に十分な基本性能を持ち,HDMIまで持っていて,しかも消耗品を除いて3年補償という品質にを維持するこのモニタに,私は大満足でした。

 20インチ目一杯に広がった地デジの映像は,フルHDには足りない画素数ですがもう十分で,個人用のテレビとしてはもうなにも文句はありません。

 都合,7万円ちょっとで20インチの地デジ+1TBのHDDレコーダ(Wチューナ)が揃ったことになるわけですが,同じシステムなら家電量販店で10万円くらいで買えるのかも知れません。でも,自由度の高さはこの組み合わせでしか手に入らないものです。

 気になっていた消費電力ですが,モニタがエコモード使用で22W,本体が約50Wですので,70Wちょっとでしょうか。最近のテレビは100Wを簡単に越えるので,録画システムまでいれてこの程度の電力なら,気にせず使えるレベルではないでしょうか。

 とはいえそこはさすがにATOM330ですから,コマ落ちも時々起こりますし,エンコードまでやらせようとするのは難しいです。あくまで録画用と割り切る必要がありますが,折から家電とPCの境界がなくなりつつあることと,ATOMという低消費電力プロセッサの登場とにより,家電とPCを区別しない時代の可能性を感じました。

ATOM330ベアボーンの組み立て

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 突然ですが,PCを1台組み立てることにしました。

 理由はいろいろありますが,1つはATOM330というインテルのデュアルコアを試してみたかったこと,WindowsXPがそろそろ市場から消えそうなこと,安いベアボーンが手に入ること,1つくらいまともなWindowsマシンがあってもいいかと思っていたこと,そして最後に地デジへの移行手段にならんもんかな・・・,というところです。

 ATOMというプロセッサは性能はそこそこで値段と消費電力を下げたシリーズで,あくまで体感上の話だと思いますが,爆熱で知られたPentium4の2.8GHzくらいのパフォーマンスに近いと言われています。私に言わせればCPUの性能はもう十分なところにきていて,後は周辺,特にグラフィックとメモリに関係するシステムの出来如何で,全体のパフォーマンスが左右されるということでしょう。

 この考え方に従えば,ATOMとIONの組み合わせは最強と言えるのですが,まだ安いベアボーンが手に入るような状況ではなく,今回は残念ながらパス。しかし原子にイオンとは,次はプラズマとかそのあたりですかね。

 そんなことはどうでもいいんですが,今回手に入れたのはこんな感じです。

・R11S4MI-BA(FOXCONN)
・HDT721010SLA360(HGST)
・2GBのDDR2-DIMM(GreenHouse)
・DVR-SH20SD(アイオーデータ)
・WindowsXP Home Edition SP3

 このうち,DVR-SH20SDは最初は買うつもりはありませんでしたが,マウスを買いにいったヤマダ電機で2980円で偶然安売りしているのを見つけ,衝動買いしたものです。

 今回のベアボーンであるFOXCONNのR11S4MI-BAは私の購入価格で14999円と安い上に,HDDは3.5インチ,光学ドライブは5インチハーフハイトが使えるのですが,その割にはSATA専用だったりして,余ったパーツを使う事ができませんでした。

 光学ドライブはどうせOSをインストールするときくらいしか使いませんから,USB接続のものをインストールの時に使って済ませるにするつもりだったのですが,まあ3000円なら新品でもバルク品が買えるかどうかという価格でしょうし,3000円けちってインストールに手間取るようだと馬鹿馬鹿しいので,買うことにしました。

 買ってみると,なかなかのハイスペックでDVD-Rの20倍速ライト,DVD+RのROM化,DVD-RAMも読み書きOK,nero8の限定版が付いてくるなど,期待以上のものがありました。うちで一番いいドライブになってしまいましたよ。

 HDDは私が個人的に信用しているHGSTの1TBです。7350円。

 DIMMは年末に比べると少々値上がりしていますがそれでも十分安い。DDR以降のDIMMはチップそのもの以外にも,基板の設計がタイミングマージンにきいてくるので,ここはやはりブランドもので安い製品を探します。今回はグリーンハウスが安かったのでこれに決定。2280円。

 WindowsXPのDSP版を買うのは私は今回初めてなのですが,これって結構価格がばらついているようですね。高い店と安い店では3000円ほど差があるようです。もともと1万円くらいのOSなのに,こんなに差があると慎重になります。

 今回は11000円相当くらいの価格になるお店を選んで,DVD-Rドライブを除く全部をお願いしましたが,よく知っているお店ですし,信用できるところで買いましたから,まずまずの買い物が出来たと思っています。

 結局,ここまででかかったお金は38570円。キーボードもマウスもモニタも流用しますので価格には入っていません。送料を入れても4万円以内,これでメモリ2GB,HDDが1TBでWindowsXP付きですので,メーカー品に負けてないでしょう。

 ただ,主役であるベアボーンが,さすがに安いだけあって惜しい点もあります。まずMini-ITXのくせに結構大きいこと,ファンがそれなりにうるさいこと,見た目が格好良くないこと,アナログRGBしか出ていないこと,拡張バスがPCIであること,メモリスロットが1つしかないこと,です。

 このベアボーンに限った話というよりは,ATOM搭載のMini-ITXの主流がこうした傾向を持っていて,値段が安いことを売りにしているのが現状ですから,やむを得ないのかも知れません。私としては,初期投資額は少々高くてもいいので,徹底的な諸消費電力の低減を行ってもらうか,拡張性にもう少し考慮してあるとよいなと思います。

 先日の土曜日の午後に届いたこれらを早速組み立ててみます。

 まずベアボーンを開梱しますが,いや,想像していたよりも大きいですね。コンパクトなPCを想像していましたが,これだとコンパクトとは言えないくらいの存在感があります。ACアダプタ式ではないことは一長一短な所があるのでなんとも言えませんが,150Wという容量があることは,1つの安心材料のような気がします。

 HDDやメモリは目視では問題なさそうです。DVD-Rドライブも大丈夫ですね。Windowsも入っていました。

 ベアボーンを分解し,パーツを取り付けていきます。作業は本当に簡単で,あっという間に終わります。早く終わりすぎて面白くないくらいです。

 ディスプレイ,キーボードとマウスを繋いで,起動します。BIOSのセットアップでHDDやメモリが認識されていることを確認し,さっさとBIOSの設定を行います。

 リセットで再起動。ここでDVD-RドライブにWindowsXPを入れてインストール開始です。1時間ほどするとインストール完了です。あっけなくWIndowsマシンになりました。

 ここから先は,ドライバのインストール,各種設定,拡張機器の導入ということになりますが,地デジチューナーを除き,さっさと終わってしまいました。

 ただ,基本的なドライバが収められたCD-ROMに収録されているインストーラは,256色のVGAでは表示されない部分があるので少しはまりました。先にディスプレイのドライバだけ入れて置かないと,残りのドライバを入れるのにちょっとだけ戸惑います。

 さて,動いて見れば,ただのWindowsXPマシンです。2GBのメモリ,1TByteのHDDは一昔前の高スペックマシンですから,一昔前のOSであるWindowsXPならストレスフリー!,といいたいところですが,やはり少々引っかかる感じがあります。

 私以外の人も書いていますが,アプリケーションを起動するとき,ダブルクリックから実際に立ち上がるまでに,ちょっとしたタイムラグがあります。なにをやっているのか分かりませんが,「あれ」という違和感がついて回ります。これはあまり気分のいいものではありません。

 それでも,OSの起動も比較的高速ですし,安定して動作していますから,そこそこのCPUに大きなメモリとHDDを装備したマシンがこのくらいの価格で手に入るというのは,良い時代になったものです。

 発熱については期待通り少なく,測定してはいませんがトータルで40W程度の消費電力というのは本当のようです。近頃のBDレコーダだってこれくらいの電力は消費しますから,24時間稼働をすることがあっても,そんなに電気代を気にしなくてもいいでしょうし,冷房を強める必要もないでしょう。

 ファンは低価格機だけに心配でしたが,予想以上に静かでした。このあたりの感覚は人によりけりだと思いますが,もう少し静かなファンに交換するともっと良くなるように思います。深夜になると風切り音が少々耳障りでしょうか。

 むしろ,HDDのシーク音が金属の筐体に響いて耳障りなのは残念です。アクセスランプを見なくてもアクセスの具合が分かるという無理矢理な利点もなくはないですが,やっぱりゴロゴロと音を立てるのはいいものではありません。(アクセスランプも真っ赤なので結構無粋です)

 ということで,一応マシンは完成しました。画面周りの速度の遅さが気になるので,高速なマシンを普段から使っている人にはつらいように思いますが,なんといっても消費電力が小さいですから,許してあげましょう。

 さてさて,残るは地デジチューナーです。

 SKNETの定番,MonsterTVシリーズのなかで,USB接続型WチューナーのHDU2を買いました。約15000円と微妙な値段だったのですが,昔から予約がバッティングして悲しい思いをすることがあった私としては,Wチューナ-のゆとりをぜひ感じてみたいと思っていました。

 これをまずは標準状態でインストールです。問題なく動作します。少なくともこの状態で,明日からアナログ停波になっても私は難民にならずに済みます。ただ,ちょっと重たいです。このマシンスペックでは,コマ落ちがあります。

 それと,私は川崎に住んでいるのですが,TVKが入ったり入らなかったりします。ちょうど当落線上にあるような感じです。ただ,ほかのチャンネルも受信はできていても,十分なレベルであるとは言い難いので,集合住宅には欠かせないと言われる室内用のアンテナブースターを導入することを考えています。

 んで,せっかくのHDU2ですから,xxxをyyyしてzzzするととても幸せになれるわけです。このマシンスペックでどこまで出来るかは分かりませんが,ちょっと頑張ってみようと思います。

 つくづく思うのは,もう地デジというのは,家電の域を超えたものなんだなあということです。流れてくるデータのフォーマットに始まり,そのデータをどう処理して画像を得るかまでの流れを考えると,やってることは情報処理そのものです。

 かつて,PCをビデオレコーダにするのが流行りましたが,この頃はビデオデッキや当時で始めたDVDレコーダという家電品をPCが模倣するという感じでしたが,今回地デジシステムをPCベースで検討するにあたり,むしろ家電の中身がPCになっているという実感を持ちました。

 少し前の子供に,テレビの原理を教えてあげるのは,難しいものではありますが不可能ではありませんでした。しかし,デジタルTVはもう子供には理解不能でしょう。粒度の問題ですから,子供達にわかるレベルで教えることは可能でしょうが,果たしてそれで原理を語った事になるのかどうか。私には自信がありません。

やはりWindowsMobileは定期的リセットが不可欠なのか

 アドエスはなかなか安定しません。現在困っている問題は大きく2つ。

・ActiveSyncがいつまでたっても終わらない

 Bluetooth経由でOutlookの予定表を同期させているのですが,本来すぐに終わるはずの同期が20分経っても終わりません。仕方がないので中止を試みますが,中止できません。

 やむなく接続を切るのですが,その後猛烈に不安定になるため,結局リセットする羽目になります。リセット後に同期すると,あっという間に終わるんですが・・・

・IrisBrowserのクラッシュ

 リセット直後はいいんですが,数日使っているとIrisBrowserがクラッシュして落ちます。接続,名前の解決,データの送信までは動くのですが,データ受信の段階で落ちてしまいます。こうなるともうリセットしか解決出来ません。

 上記2つの問題によるリセットは,キーボード横のリセットではダメで,田千代子のリセットボタンを押さねばなりません。時計が狂うのもお約束です。

 運用でなんとかしたいと考えましたが,なにせ再現性や傾向がつかめないので,同期するときには事前にリセット行う,という方法で回避するしかないような感じで,あきらめムードです。

 しかしそれでも解決しないのはIrisBrowserのクラッシュです。まったく前兆がなく,クラッシュするかどうかは時の運です。

 IrisBrowserはまだ良いのですが,この現象が発生してしまうと,PocketIEやOperaではフリーズを起こしてしまいます。落ちてくれないので本当にリセットしないと動かなくなります。お天気情報取得アプリでもなってしまうので,これらの共通するモジュールの問題なのでしょう。

 なんか,もうアドエスには疲れてしまいました。これを5万円以上で買ったなら,私は怒り狂っていたんじゃないかと思います。

 試行錯誤として,IrisBrowserのWebキャッシュをSDカードではなく本体に置いてみることにしました。時々,キャッシュの上限サイズの設定値が,無茶苦茶な値を示すことがあるので,もしかしてと思っています。

 あと,KeyLockSuspenderも危険そうな感じなので,使うのをやめてみました。私の場合は電源を切るためのスクリプトを入れているので,無理にこれを使う事はありません。起動後の自動接続が便利そうなので使っていましたが,AutoConnectを入れているので,一応アプリからの接続は自動化できています。

 この2つで,問題が解決してくれればありがたいですし,駄目な場合はとにかく一日一回リセットを心がけるという,極めて後ろ向きな方法で逃げるしかないかも知れません。

 まあとにかく,WindowsMobileに過度な期待は禁物です。デフォルトで使えば安定したOSなのかも知れませんが,デフォルトでは使えないから,これだけ環境設定系の定番フリーウェアが出回っているわけで,この際マイクロソフトはモバイル用のOSをWindowsXPベースで作り直したらどうでしょうか。というか,ATOMでスマートフォンを作ってWIndowsXPをそのまま入れろ。

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