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PE-101Aと6V6シングルアンプ

 先日押し入れから6V6シングルアンプを引っ張り出して,PE-101Aに繋いで音を出してみてがっかりしたことを書きましたが,このままあきらめてしまうのもつまらないので,少し手を考えてみました。

 まず,このアンプの出力は約3.5W。効率90dBのPE-101Aとの組み合わせでは,小さい部屋ならまずまずの出力です。ただし,線の細さが面白くない,低音を下支えする安定感がないことが問題です。

 帰還量は現在約16dBと結構かけていますが,ダンピングファクタは約4.9と,なんとか合格点です。しかしやっぱりもう少し欲しいところでしょう。ちなみに初段管の6SL7については,歪みの小さくなる動作条件で動かしていることがはっきりしたので,ここは問題ないとして先に進めます。

 それで,前回も書きましたが3極管接続を行い,帰還量を減らすという作戦を実際にやってみたくなりました。出力が大幅に減るので心配ですが,まあやるだけやってみましょう。

 配線を変更する前に,ACケーブルをプラグ式に改良します。以前はシャシーが込み入った関係で直出しだったのですが,取り回しが面倒なのでメガネプラグにしました。

 これが終わってから,3極管接続への改造です。スクリーングリッドをプレートにくっつけるだけの話ですから,とても簡単なはずです。発振止めの100Ωをシリーズに入れることもあるようですが,私の場合は面倒な出入れません。出力も小さいので大丈夫でしょう。

 しかし,スクリーングリッドに電源を供給する回路が浮いてしまうわけですから,負荷が軽くなって電圧が上がります。そうするとコンデンサの耐圧を越えてしまうかも知れず,もしそうなるとコンデンサを外すなどの対応が必要です。

 幸い,350Vの耐圧に対し,300V程度で収まってくれたので,対策は必要なし。予定通りスクリーングリッドをプレートに接続します。

 プレート電圧を測定すると300V程度です。ん?確か6V6のスクリーングリッドの耐圧は285Vではなかったっけ?定格オーバーになってしまうとまずいです。調べてみると,6V6は後期には耐圧が315Vに引き上げられていることと,3極管接続ではプレートと同じ電圧でもよい(そうでないと3極管接続のプレート電圧がスクリーングリッドの耐圧に制限されただでさえ小さい出力がますます小さくなる)とされる説があるらしく,今回はとりあえずよしとしましょう。

 改造が終わり,各部の電圧を測定してスピーカを繋いでみます。音を出してみるとあきらかにこれまでとは異なる音です。

 低音のポンポンいう感じがなくなり,音圧は乏しいながらも頑張って下支えをしているような音です。ボーカルの角が取れた音は以前にも増してふくよかになり,聞き疲れしません。

 これはいい。3極管接続というのは思った以上によいです。

 ここで終わっても良かったのですが,帰還量の調整と測定をしないとダメだろうと,ささっと測定を始めてみました。

 まず最大出力は,目視による正弦波のクリップが始まるのが1kHzで0.98W。1.5Wくらいは取れるかなと思っていたので,予想以上に低いです。これで足りるかどうか少々心配です。

 ダンピングファクタは500Hz,8Ω負荷で約6.2。あれ,5極管接続とあんまり変わりません。

 ではゲインを見てみると,約5.9dBです。これもあまり変わりません。では,帰還量はいくつなんだと測定すると,これが8.93dBと小さくなっています。

 なんだか,なんの調整もしないで,ちょうど私が狙っていた点に落ち着いてくれていました。5極管接続では大きかったゲインを大量の負帰還で小さくしたものが,3極管接続では最終的なゲインはほぼ同じで,帰還量が減っている,ということは裸のゲインも小さかったということになります。

 Ep-Ip曲線を見てみれば,5極管接続と3極管接続で(同じ負荷なら)ゲインに差が出ることは当たり前なわけで,つくづく5極管(今気が付きましたが6V6はビーム4極管ですね)というのは感度も効率も高い,優秀な真空管だったんだなと実感しました。

 周波数特性はあまり関係ないと思いつつ,0.73W出力時で-3dBになった周波数は,下が9.8Hz,上が98.5kHzと全然問題なし。ただし20Hz以下の歪みの大きさは目を覆うばかりです。完全にトランスの性能が出てますね。

 高域が結構伸びているので,トランスを含むオーバーオールでの負帰還をかけた今回の回路では,発振するかも知れません。1uFのコンデンサを出力に繋いで1kHzの矩形波を入れてみましたが,元々きちんと位相補償を行ってあるので,今回もわずかにリンギングが出たくらいで済みました。これなら問題なしです。

 ということで,測定を始めるまではすごく面倒だったのですが,終わってみると特に定数の検討をすることもなく,さっと終わりました。こうして簡単でもいいから様子を見ておくと,安心です。

 そして組み立てを終えて,リスニングに使ってみましょう。聞き疲れをしないこと,ふくよかな中域にとても自然な感じがすること,小さな音でも全然平気で,何かしながら聴くのにぴったりという印象は相変わらず,いやむしろ強まったといえるでしょうか。遊びに来ていた友人も「これはBGMに最適」と同じような感想だったので,あながちウソでもないでしょう。

 それにしても1Wでも立派なものですね。真空管アンプは元々パワーが小さくても実用になると言われているのですが,それも今回実感しました。3極管接続ですからソフトディストーションであることも理由でしょう。BGMとして使うこと,元々ニアフィールドで使うこと,を考えると,出力を下げても音質を確保するという今回の目論見は正解だったと思います。

LE-101Aも届きました

 PE-101Aを手に入れて裸でならし,その素性の良さに驚いてしまい,これはいい加減なエンクロージャを自作したのではもったいないと,専用のエンクロージャLE-101Aを買うことにしたのですが,意外にも数日前に届いてしまいました。

 もう少し大きさがあると思っていたのですが,届いたLE-101Aは想像以上に小さく,10cmのフルレンジのエンクロージャとしては少々物足りないのではないかと不安になります。しかしさすがにメーカーの完成品だけあり,木材加工は素晴らしく,たしかにこれが1つ1万円ちょっとというのは素人には真似が出来ないなあと思います。

 ただ,サランネットは非常にチャチで,接着剤のはみ出しや糸引きがそのままになっていたりします。こういうところに中国製のいい加減さが出てますね。見えないところだからよい,というのは正しくもあり,誤りでもあります。

 ユニットの取り付けはとても簡単で,エンクロージャから出てくる配線を取り付け,ユニットに付属するパッキンを挟み込んで木ねじで締め付けるだけです。

 早速ならしてみましょう。場所も仮置きで,アンプもすぐに試せる状態にあった自作のMOS-FETアンプ(考えて見るとこれを作ってからもう20年経過してるんですね・・・)です。

 ・・・これが良くできたフルレンジの音,なのでしょうね。全体として低域が完全に不足し,高域もややもの足りません。普段CM1を使っているだけに,余計に「足りないな」という印象が強くなります。CM1は高域も低域もなんとなく不自然ですから。

 ただし,アルミコーンようなトゲもありませんし,もう一歩欲しいなと思う一方で自然さには疲れが出ません。

 低域はバスレフポートからもあまり低音が出てきてないのですが,これは妙な味付けを廃し,低域と中域のバランスを考えた結果であると解釈しています。そもそも低域はかなり不足しているのですが,そこはサイズの小ささゆえ最初から期待してはいけないところだと思います。

 素晴らしいのはやはり中域,特に「人の声」です。目の前に「ぽっ」と立体的に現れる人の声は,作り込んだ美しい声ではなくあくまで普通の自然な声です。この中域を楽しむのがPE-101Aの真骨頂なんではないでしょうか。

 フルレンジゆえに,すべての音域が同じスピーカーから出てきますので,音が散らばらず,楽器の場所がチョロチョロ変化しません。抜群の定位感は聞く人に安心感を与えてくれます。位相特性も良いので,楽器の位置を非常に細かい分解能で特定することも出来ます。CM1でも感じた印象ですが,フルレンジなら安くても可能になるという例でしょう。

 面白いと思ったことが1つあります。大音量時には物足りなさを感じたPE-101Aも,小音量時には非常に心地よいのです。理由を考えてみたのですが,人間の耳は小音量時には元々低域と高域の感度が下がります。だから,小音量時には聞こえなくても当たり前と思うのではないでしょうか。人間の耳(といいますか脳ですが)は,本当なら出ていない音を出ているように錯覚することがあります。

 音響心理学という領域の話で,本当は出ていない低音を出ているように錯覚させるようなエフェクトが,すでにJ-POPSを中心とした制作現場で当たり前のように使われています。

 今回の件が音響心理学で扱われているようなものかどうかは分かりませんが,1つには絶対的な音量と低域あるいは高域の聞こえ方の関係から,小音量時には低域と高域が不足しても違和感を感じないというのがあると思いますし,さらにそこから,低域と高域を脳内補完していたのではないかとも思います。

 大音量時には脳が期待している低域と高域のレベルが大きくなりますから,期待に届かない現実との間に違和感を感じるのでしょう。

 ということで,静かな部屋で,人がひそひそと話すくらいの音量で,楽器の数の少ない,出来れば声の入っている音楽を「馴染ませる」ようにならすのが,一番ぴったりだと思いました。

 CM1はある程度のパワーで駆動してやらないとダメなスピーカーですから,あまり小さい音ではつまりません。それに小音量という事は自動的に近くで聞くことになりますから,設置も小さい範囲になります。そう考えると,もう全然違う使い方のスピーカーだということになってきます。

 小音量なら,と自分で設計した6V6シングルを引っ張り出して来ました。3.5W+3.5Wという非常に小さなアンプで,これまで出番はほとんどありません。音も窮屈でスケール感がなく,これといって特徴もありませんが,ひょっとするとPE-101Aにはマッチするかもしれません。

 試してみましたが,結果は×。せっかくの中域も耳障りになっています。歪みの出方が良くないのでしょう。音量を大きくしていけばますます歪みっぽくなり,かなりしんどいところです。アンプの自作というのは難しいものだと,つくづく思いました。

 中域を大事にするなら,やはり三極管でしょう。6V6を三極管接続で使い,負帰還を減らすという「今時の真空管アンプ」っぽく手直しすると,いくらかましになるのかも知れませんが,6V6はビーム管接続でもそんなに音は悪くない球です。もしかすると初段の動作点が悪く,ここが不快な歪みを作っているのかも知れません。

 PE-101Aはとにかくフラットで,LE-101Aとの組み合わせにおいては,物足りない低域と高域を無理に出そうとせず,あくまで自然な心地よい音を出すスピーカーです。数時間ならしてみて,少しだけ低域が出てくるようになりましたし,歪み感も減ってきて,より自然な音になってきたように感じます。

 きちんとしたリスニングルームでなくとも,ちょっとしたスペースで良質なBGM(そう,あくまでBGMです)を満喫できると考えると,良い使い方が出来るなと思います。

 しかし,これだけ素性がよいと,もう少し大きなエンクロージャにいれて低域を伸ばしてみたいなあと欲が出ますね。もし今からPE-101Aを手に入れてみようと思われた方は,少々面倒でもエンクロージャは自作されることをおすすめします。


 

PE-101Aを買いました

 最近のパイオニアはどうしたものかと,外側にいる私は非常に好印象を持っています。

 私にとってのパイオニアはスピーカーでも単品コンポでもなく,レーザーディスクとカーナビ,そしてミニコンポのメーカーで,いわゆるピュアオーディオからは遠い存在でした。

 いろいろ良くない噂も耳にしますが,それでもそれなりの価格のアンプやSACDプレイヤーを本腰を入れて作ったこと,割とまともなカセットデッキが最近まで売られていたこと,FMチューナ-がちゃんとラインナップされていることなど,かつてオーディオマニアだった人たちとこれからオーディオに入る人たちに,良質かつ広い入り口を用意してくれる,そんなありがたいメーカーになっています。

 SACDプレイヤーだって,100万円以上の超高級機以外はカス,という空気が強い中で,ヤマハとパイオニアの20万円弱の製品が一定の評価を受けている事実を考えると,やはり量産が得意な日本のオーディオメーカーが本気を出せば,この価格でこの内容のものが買えるのだと,我々が忘れていた80年代までの「常識」をふと思い出させてくれたりします。夢があっていいですね。

 パイオニアは元々,HI-Fiスピーカーでスタートしたメーカーですが,自作派のマニアにもスピーカーユニットを提供し続けた良心が基本的に生き続けているようで,彼ら自身もそうした歴史を「良い歴史」と捉えている節があるようです。

 今年の70周年を記念して,かつての名機「PE-101」が復刻,「PE-101A」として販売されることが決まったというニュースを聞いたのは8月の中頃でした。

 価格は1つ11800円と,10cmフルレンジとしてはなかなか高級です。自作派がガンガン作るためのユニットという感じではなさそうで,その辺はやはりアニバーサリーモデルなんだなあと思ったのですが,実は30年前のPE-101の価格もそれなりに高くて(5500円だったそうです),物価上昇を考慮すると今回の価格がべらぼうに高価であるとは言えないようです。

 それだけに変に妥協したりグレードアップして欲しくないところですが,当時の素材を使うなど,可能な限りの復刻を目指してくれているようで,そういう方針はありがたい話です。

 聞くところによると,パイオニアとしても普通の人には絶対に売れないこの手の商品を発売するのが久々で,全く数が読めないんで困っているんだということでしたが,やはり初回出荷分は完売の様子で,次は10月中旬になってしまうらしいです。

 ところが30年前とは違います。きちんとしたエンクロージャを作ることの出来る人は限られていますし,もっと手軽にPE-101Aの音を楽しみたいと考える人も多いでしょう。そこでパイオニアは,PE-101Aにあわせたエンクロージャの完成品を別売しました。

 1つ14000円ですが,これがなかなか高級感があり,「これを14000円で売ってしまえるというのはやはりメーカーはすごい」とため息をついた自作マニアがいるとかいないとか。

 さて,以前からスピーカの自作を考えていた私としては,PE-101Aという素晴らしい素材が手に入るこの機会を逃すのも惜しいと考えて,すぐに予約をしました。9月24日は手に入れていたのですが,肝心なエンクロージャをどうするか,現物を手に入れた時でも考えあぐねていたのです。

 パイオニアのホームページには,推奨エンクロージャの図面がいくつか出ています。バスレフやバックローデッドホーンという定番の中に,フロントローデッドホーンというちょっと見慣れないものが含まれています。

 見た目はあのアルテックのA7を小さくしたような感じのものですが,バスレフとの併用で低域を出そうとしているようです。高さも30cmほどとかわいらしい容姿で,置いておくだけでもさまになりそうな感じです。

 今や市販品でもほとんど目にすることがないフロントローデッドホーン,しかも30cm程のミニサイズで,ユニットはPE-101Aと来れば,もう自作以外に存在しません。これはやるしかない,と思って計画を練っていました。

 ただ,私は木材の加工が下手くそで,どうも精度を出すことが出来ません。工具類も木工用のものはほとんどありませんし,材料の入手も近所にホームセンターがないこともあって,手軽というわけにはいきません。

 また,確かにフロントローデッドホーンは効率を向上させ,低域を豊かにする力がありますが,高さ30cm程度の小型のものでどれほど効果があるのか,ちょっと疑問もわいてきます。結局ホーンは飾りでバスレフが支配的になるのであれば,良い素材と良い作りの完成品のエンクロージャが最適ということになるでしょう。

 それに自作だってそんなに安くはありません。板だけで2本分で15000円ほどもかかるでしょうか。工具や接着剤,塗料や端子などを買えば,2万円を越えるのは確かでしょう。

 見た目が悪い,精度が出ていないなどというのは,自作ならではの個性でもあるし,良いことであるとも思うのですが,加工精度の悪さがPE-101Aのポテンシャルを引き出せないのだとしたら,これはもったいない話です。自作をしたという満足感と,実際よりもいい音に聞こえるという心理的な効果を割り引くと,実は実用品としての自作には,それほど魅力がないのではないかと,そんな風に思ってきました。

 決め手になったのは,届いたPE-101Aが壊れていないか確認するのに,裸でならして見たときの音の良さです。箱に入れていませんから低音も全く出てこず,中音域にもおかしなクセがあるのですが,それでもボーカルがしっかり真ん中に浮かび上がってきます。このスピーカーの目指すところが分かった気がしたのですが,そのためにはおかしな自作のエンクロージャではなく,まずはメーカーが用意したものをきちんと使ってみようと,そう決心しました。

 どうせこういう事になるなら一緒に注文しておけばよかったのですが,すでに本日の時点で発送されたとの連絡を受けています。早いですね。

 最近のスピーカーはエッジを柔らかくし,ストロークを大きくした,いわゆるハイコンプライアンス型が主流です。口径が小さくともストロークが大きければ,多くの空気を動かすことが出来るという点でどちらも同じと見る事が出来るのだそうですが,小さい口径のスピーカーがしっかり低音を再生できているというのは,部屋の大きさに限りがある我々庶民にはありがたいことです。

 ところが,その結果として効率が下がってしまいます。効率が低いと,同じ電力を入れても音圧が上がりません。最近のスピーカーが真空管アンプで駆動しにくいのは,こういう事情もあるからですが,なるほど今から40年も50年も前の名機と呼ばれるスピーカーには,音圧レベルが100dBに達するものがあるのも納得です。

 また,ストロークの深さは,必ずしも入力電力に比例してくれません。だから大音量時に歪みが増え,破綻してしまう傾向があると言われます。大口径のスピーカーならこういうことは起こらないのですが,口径が大きい分だけ2次振動や3次振動が発生しやすくなりますし,高音が出にくくなるので2wayや3wayにしないと成立しません。

 PE-101Aというのは,基本設計が30年前のものだけに,この辺の無理をしていないようです。これが素直で整った音を出している理由だという人もいます。その代わり低域と高域の物足りなさ,レンジの狭さを嫌う人もいたりします。

 オーケストラのような壮大な音楽は,どうせ10cmのフルレンジではどうにもならないでしょうから,このスピーカーではボーカル,小さな編成のジャズを楽しむのが正しい使い方ではないかと思いますし,逆にそうした音楽が堪能できれば,私としては全く問題はありません。

 ということで,とにかく完成品のエンクロージャーが届くのを楽しみにしています。
 

読書灯で知ったLED照明の明るい未来

 私は本と本屋と図書館が好きで,毎日のように本屋に立ち寄り,ぐるっと一周するのが楽しいという人です。しかし,およそ読書が趣味,と言い切るほど高尚な本を読んでいるわけではない(そもそもこういう高尚な本が手に入りづらくなっているのもまた事実)ので,私をよく知る人たちだけが,私が本好きであることも知っているという感じでしょうか。

 もっぱら寝る前に活字を読んで眠りに就くというのが長年の私の生活パターンなのですが,部屋の照明は今ひとつ暗い上に,仰向けになって本を読むと影になってしまい,結局暗いままです。

 しかも,夏は暑い。天井から吊された蛍光灯は結構熱を出すものです。そこで,手元に置いておける読書灯が以前から欲しかったのですが,従来の蛍光灯や白熱灯ではそこそこ大きく,やっぱり熱がかなり出ることに抵抗がありました。LEDが照明器具として実用的になることを心待ちにしていたのです。

 そして,その時が2008年秋にやってきました。

 ツインバードの「LE-H222B」です。某サイトで紹介されていたのでご存じの方も多いと思いますが,まさにこれが私の考えていた読書灯にぴったり当てはまったのです。

 ただ,どうも人気商品のようで,在庫のあるお店が意外に少なく,私も入荷を1週間ほど待つことになりました。秋の読書シーズンに間に合って欲しいなと思っていましたが,9月初旬には手に入っていました。

 届いて現物を触っていると,畳に布団を敷いて寝る私の枕元に,どうやってこれを置くのかと,考え込んでしまいました。

 LE-H222Bはクランプでいろんなものに固定できます。挟んだものを傷つけないようにウレタンフォームも付いていて,よく考えられているなあと感心するのですが,いろいろ試した結果,頭上にある引き戸の端をクランプで挟むことにしました。軽いし小さいからこうした芸当も可能なんですね。

 照明が当たる角度もかなり自由度があるのですが,私が取り付けた向きではちょうど下向きに出来ず,逆向きに一周回してやる必要があったりします。これは少々面倒ですが,仕方がないです。

 あと,明るさの調整が2段階しかないのですが,明るいときと暗いときの落差が大きく,結局暗いときの明るさでは本を読むことは出来ません。ここで無段階で明るさを調整出来たりすると,さすがLEDだなあと思えたことでしょう。残念です。

 で,使ってみて1ヶ月,これはかなりよいです。レンズで集光してあるためにちょうど読書に適当な面積だけが明るく,他が明るくなる事もありません。十分すぎる明るさに加えて,発光色も電球色であるため,蛍光灯よりも見やすいという印象です。

 そして頭の真上にあるにもかかわらず,ほとんど熱くありません。消費電力が低いことも,電球を交換しなくてもよいことも,気が楽で結構なことです。

 電池で動く物もある中で,この商品はAC電源です。小型のACアダプタから電源が供給されていますが,本体とは直づけされているので,AC専用機と考える必要があります。しかし,電池で動く物は明るさが足りないですし,こうしてAC専用機になることでまぶしいくらいの明るさが確保され,しかも電池切れの心配もないというのは,私にとっては好都合です。

 この読書灯で読了したのが,1000ページほどある分厚い文庫本でした。暗いところで読書すると,疲れて読み進めることが難しく,結果的に目を悪くすることもあるのですが,さすがに読書灯を使えば疲れ知らずでどんどん先に進めます。

 まず読書灯のような用途からLEDが使われていくんだと思いますが,今回私はこの「第3の照明」を初めて日々の生活に取り込み,10年後,20年後の生活がより快適になっているであろうと想像することが出来ました。

 おそらくですが,この商品のヒットを受け,他の会社からもいろいろなタイプのものが出てくると思います。ACで動く物から選べばそんなに外すことはないと思いますが,値段も下がってくることが予想され,もう少しするといろいろ選ぶことも出来るでしょう。

 寝る前に5分でも10分でも本を読む習慣のある人は,その読書が快適になるように,1つLEDの読書灯を検討してみてはいかがでしょうか。

SB-400を買いました

 先週の土曜日,久しぶりに秋葉原に出かけ,次期真空管アンプの部品を買ってきました。大きなスケールの音が欲しいので,EL34プッシュプルで,50W+50Wを狙おうと思っています。

 で,秋葉原が億劫になっている私としては,せっかく意を決して行くんですから,なにか他に必要なものも買っておこうと考え,小型のストロボを買うことにしたのです。

 高校の頃から親しくしている友人がいよいよ(とうとう)結婚することになり,11月に招待されています。私を含め高校時代の友人4名で,今でもメールを回しているのですが,ここでちゃんとしたカメラを持っていくよ,と宣言した手前,あんまりちゃちな機材では申し訳ない気がして,D2Hを持っていくことに決めました。しかし問題はストロボです。

 社外品ですが,サンパックのPZ5000AF(ガイドナンバー54)を2年ほど前に中古で手に入れていますが,F5の世代のストロボですから,D2Hでは満足な調光が出来るとは思えません。最悪外部調光で使いこなせるとは思いますが,ニコンのストロボの調光は業界トップの実力と評価されていて,ニコンに限って言えば最新のストロボをボディと一緒に買うことがおすすめ,という話はよく耳にします。

 また,最近は特に複雑な制御を行う関係で,ストロボは純正に限る,というのも良く聞く話です。確かに,ストロボの撮影をしたいという理由でニコンを選ぶ人がいたりしますし,ニコンもかなり積極的にストロボ撮影の能力の高さをアピールしています。こんなメーカーも珍しいですね。

 ですが,やっぱり高いんです,純正は。それに持ち歩くには大きいです。SB-600でも単三4本ですから,電池だけでも重いしかさばります。

 そうすると社外品かなあと思っていたところへ,サンパックからRD2000というストロボがちょうど出たとのこと。小型でお値段も安く,ニコンの最新の調光方式i-TTLにも対応と,私の今のニーズにぴったりです。

 いろいろ考えてアキバのヨドバシカメラに向かったのですが,冷静に考えると純正でもSB-400が似たような値段であったはずです。やや大きいと思っていたのですが,実物を見ると想像よりも小さくて,好印象です。

 一気に分が悪くなったRD2000ですが,店頭には出ておらず,ガラスケースに在庫が2台ほど置かれているだけです。

 最初の店員さんに声をかけると,自分はニコンの人間なので,他社さんのことはわからんと,逃げようとします。それなら誰が知っているのか,とバトンタッチを期待したのですが,他の店員に聞いてくれとそのままピューと去っていきました。少し待ってみましたが,私から遠ざかってふらふらしています。逃がしてしまいました。

 ヘルパーさんだと思いますが,こういうのを売り場に出すのは,混み合った売り場では邪魔になるだけなんだけどな,と思いつつ,別の店員さんに声をかけます。

 なかなか気のよさそうな方だったのですが,事情を話すとSB-400を薦められました。やはりニコンなら純正品がよいですよ,と。RD2000が気になるというと,展示が出ていないので,在庫を出してみましょうか,という話になりました。

 実物を見せてもらうと,想像以上に大きいという印象を持ったことと,大した特徴もないものだとわかり,1000円安いだけで非純正品を買う理由が見あたらず,あっさりとSB-400にすることにしました。

 わざわざ箱から出してもらったことに感謝し,なかなか的確に商品のアドバイスをしてくれた店員さんに,(最初の人がひどかっただけに)非常に良い印象をもちました。プロですね。私の接客中に,近くに来た若手の店員のために,レジのバーコードリーダーをさりげなく彼の近くにさっと置いたあたり,なかなかよく気が付く人だと思いました。

 さて,家に帰って早速テストです。

 スピードライト(ニコンではストロボはスピードライトと言います。純正品を買ったわけですから,以後スピードライトと書きます)が小さくて,一方のD2Hは巨大なため,アンバランスなことこの上ないのですが,逆に言うとそれほどスピードライトを意識しなくて済むということでもあるので,なかなか好ましいことです。

 単三2本ですので軽いですし,電源スイッチしかない操作部は気分的にも楽です。

 撮影を始めてみますが,確かに調光は素晴らしい。白飛びもなく,黒くつぶれることもありません。色もさすがにホワイトバランスと連携するだけに自然です。

 ただ,シャッタースピードが上がりません。おかしい,普通はシンクロ速度で固定されるはずなのに・・・

 調べて見ると,D2Hの設定の問題らしいです。シンクロ速度の上限を下げてあったためで,ここを1/250にしておけば周りが明るい場合,D2Hの限界である1/250までシャッタースピードが上がってくれます。

 うーん,D2HはFPシンクロが可能な機種のはず。1/8000まで全速同調じゃなかったかなあと思って調べると,これはSB-900,800,600の機能で,SB-400にはないんだそうです。

 でもまあ,SB-600とは価格差もあるし,大きいので私は最初から論外でしたから,これはそれほど惜しくはありません。1/250まで同調することで十分と言えますし,スローシンクロや後幕シンクロにも完全に対応し,精度の高いi-TTLがなにも気にせず使えるというのはありがたいくらいです。

 もう1つ,SB-400は外部調光が出来ません。受光素子がなく,TTLでしか調光できないのですが,ディジタルカメラ用ですので,フィルム面の反射を測定するわけにもいかず,それでプリ発光を行う仕様です。

 つまり,すでにスピードライトはボディのマイコンと通信をし,あたかもボディの一部として動作することが前提になっているのですね。社外品だと精度が落ちるというのも,わかる話です。

 かくして,SB-400はうちではD2H以外には全く使えないスピードライトとして戦力に加わることになりましたが,その代わりD2Hとの組み合わせでは文句なしです。面白いほど調光が決まります。

 少し大きな部屋だとバウンズには光量が足りない可能性もありますが,普通の部屋なら十分でしょう。

 露出がはまれば,ぎょっとするような高画質を吐き出すこともあるD2Hですが,実はスピードライトを常用することで,より確実な写真が撮影できるようになるのではないかと,そんな風に思いました。

 邪魔にならないくせに,あるのとないのとでは雲泥の差があるSB-400。値段も安いので,内蔵スピードライトにいまいちな印象を持っている方は,一度試してみる価値があると思います。もちろんスピードライトが内蔵されていない機種を持っている方も,あまり見栄を張らずに,素直にその恩恵にあずかりましょう。

胃を悪くした顛末

 6月中旬,作ったカレーがあまりにおいしくて食べ過ぎたことをきっかけに,胃を悪くしてしまいました。

 私は胃は丈夫な方なのですが,2年ほど前から長期間,気分の悪さに悩まされることが起こるようになりました。

 大体1年に2から3回ほど,期間はざっと3ヶ月程度,喉のあたりで食べ物がつかえているような感じがして気分が悪く,食欲も出ません。

 油のものを食べるとその日のうちに下痢をし,アルコールも御法度です。

 今回で3度目なのですが,決まって3ヶ月すると症状が治まり,ウソのようにすっきりとして,楽になります。

 ただ,気分が悪い3ヶ月の間,本当に辛く,夜もぐっすり眠ることが出来ないこともあります。食べ物に制限を受けるだけではなく,日常的に気分が悪いことがあらゆる行動に制約を付けてしまうのです。

 3回目の今回,1ヶ月ちょっと経過した7月中旬に,諦めて病院に行くことにしました。この時私は,胃の病気を覚悟していました。しかし,私は人間ドックでもお医者さんから「こんな健康な人は見たことがない」と絶賛されるほど健康だった人です。こういう人に限ってややこしい病気に突然かかってあっさり死ぬんだよなー,などと思いながら,病院に向かいます。

 待っている間に検温をすると,37.5度。なるほどだるいはずです。私は健康と言われつつ,37度くらいの微熱が続き,その間体がだるくて仕方がないということがよくあります。もし今回の診察で,胃が炎症を起こしているのなら,この微熱を説明する有力な理由になるかも知れません。

 その日,消化器の専門の先生が外来を見る日になっていたのですが,看護師さんは,消化器の先生は混雑していて,今からだとお昼を過ぎる。別に他の先生でもいいよね,と言います。

 まぁ典型的な症状の私は,普通の内科の先生でも十分だろうと,okをしました。思えばこれが失敗だったわけですが・・・

 対面した先生は,私よりも若い女の先生でした。なかなかきりりとした先生なのですが,特に血圧を測るのでもなく,触診をするのでもなく,私に少し質問をして,それで終わりになりました。

 それがなかなか煮え切らない先生で,検査をするにも薬を出すにも,私に「どうしましょう」と結論を求めるのです。私は弱っていましたし,そもそも自分で判断出来れば医者など来ません。

 このままではなにも結論のでないままになると思った私は,「とにかく今気分が悪くて日常生活に支障をきたしているんです,それを取り除いてもらいたいのです」と,やっとの思いで彼女に話すと,少し彼女は態度変えて,薬を出しましょうということになりました。

 その時の診断は,逆流性食道炎もしくは十二指腸潰瘍,ということでした。出た薬は胃の動きを抑える薬と,胃酸を押さえる薬です。

 1週間ほど薬を続けましたが,全く改善しません。

 次に同じ先生に「さっぱりよくならない」と伝えると,それなら胃カメラをやりましょう,ということになりました。しかし予約は2週間先,しかも検査の結果を聞くのはお盆休みの関係で3週間先まで待たねばなりません。

 8月10日,生まれて初めて胃カメラを飲んだのですが,これがもう辛いのなんの。詳しいことは書きませんが,もう二度とやりたくないです。

 検査のあと,軽く結果について話をしてくださったのですが,意外なことにどこも悪くない,とのことでした。胃も食道も綺麗なもので,過去の潰瘍や炎症の後も全く見られないらしいのです。

 ならこの気分の悪さはなんだ,と聞くと,胃の動きの問題か,胃の周囲の臓器が悪いかのどっちかだね,と言われます。

 とりあえず,心身ともにダメージを受けた私は,それ以上の質問をする気もなく,帰ることにしました。

 翌週,検査結果を聞きにいつもの女の先生のところにいくと,「私は専門家ではないのでー,わかりません。なのでー,専門の先生にバトンタッチしますー。」とあっさり言われてしまいました。

 時間と費用の無駄でした。苦痛と不便な日常生活もしなくてよかったのかも知れません。でも,これが日本の医療の現実なんだなあと,しみじみ思いました。

 今度の先生は,なんと胃カメラの担当の先生でした。薬は効いてますか,と聞かれたので,正直楽になったと思ったことはありませんと答えると,ぶっちゃけ効いてないわけね,と笑って言います。

 血圧や触診を一通りやって,実は以前より随文楽になったのです,というと,直ってしまったかあ,と少し残念そうです。

 今回だそうと思っていた薬は漢方薬なんだけどね,どうしますか,というので,また悪くなるかも知れませんから,飲みますと答えました。

 ただし,2週間ほど続けてようやく効き目が出てくる薬なので,途中でやめるというのはなしよ,と釘を刺されましたが,いい具合に力の抜けた,専門家としての余裕を感じさせる先生でした。

 そして現在,すっかりよくなってしまいました。念のためとあと1ヶ月分の薬をもらっているのですが,薬を飲まなくなるとぶり返してしまう可能性を否定できないので,しばらくは飲み続けておくことにしました。

 先生曰く,おそらく胃の動きが悪いんでしょう,胃は綺麗なので何を食べても大丈夫だけども,一度に食べる量を少なめにすることが1つ,一般論としてアルコールや辛いものなど胃の負担になるようなものは避けるて下さい,とのことでした。

 良くなって毎度思うのですが,おいしく食べられること,普段を快適に過ごせることが,どれほど幸せなことか。やはり暴飲暴食を慎むこと,これに限ると思いました。

一流のJazzをご家庭で

 2008年8月29日から31日まで,好例の「東京Jazz2008」が有楽町で行われました。今年もなかなか面白そうで,特に最終日の夜のFourplayのライブは見たかったなあと思ったりしています。

 今年も30日の13時から22時まで,9時間連続の生中継がFM放送で行われます。毎年東京Jazzはテレビでも放送されるのですが,生中継には「まさに同じ時刻にやっている」という強烈な一体感があって,そこがたまらない魅力です。

 FMアンテナを用意したり,FMチューナーを調整したりと,この日のために仕込みをしていた私は,朝から最終確認を続けておりました。

 しかし,どうも受信状態がよくありません。マルチパスが原因と思われる歪みは耳障りなほどありますし,ピーというノイズも出ています。

 アンテナの向きを調整していたのですが,なかなか解決しません。これはまずいなと思っていたのですが,アンテナを真上に向けるという荒技が一番綺麗に聞こえるとわかり,専門家が見れば全く理解できない方向に,無理に取り付けました。

 それでもノイズが多くて,果たしてこれで録音しておくだけのクオリティになるかどうか,疑問が残ります。

 今回,録音はiBookG4ではなくて,MacBookProです。MacBookProでは,SPDIFのディジタル入出力が標準で用意されているので,DATのA-Dコンバータでディジタルに変換された後のデータを取り込むのに,USB経由で接続する必要もありません。

 それで,今年はフランスとの国交が始まって150周年なのだそうで,フレンチジャズが大きく取り扱われていました。私はフレンチジャズにまで手を伸ばすほどジャズに明るい人でもなく,どっちかというとその独特の雰囲気に抵抗がある人でもあるわけですが,有楽町の国際フォーラムの野外特設ステージでは,そのフレンチジャズを延々やっていたようです。それがホールでのライブの合間に放送されて,なんとなく一体感がないなあという印象が残りました。

 特に楽しみにしていたアーティストがいたわけではなかったのですが,やはり圧巻はNHK交響楽団とハンク・ジョーンズ,そしてロン・カーターという夢の競演です。Over the RainbowやPogy and Bethといったわかりやすい演目で,そこが物足りないような気が最初はしたのですが,そこは超一流の仕事です。驚いたのはNHK交響楽団の圧倒的なうまさでしょう。

 普通,こうした甘い曲をオーケストラが演奏すると,ばらばらとまとまりのない,いかにも大人数でやってます,という感じがジャズの対極にあったりして緊張感に欠け,つまらないと思うものなのですが,NHK交響楽団はフルオーケストラにも関わらず,ぴしっと音が揃っていて緊張感が漂い,それはもう本当にジャズなのです。

 これにはさすがの私も驚きました。

 インタビューでは,NHK交響楽団の方が,ハンク・ジョーンズとロン・カーターのお二人は,ジャンルは違っても我々にとっては憧れの存在であり,その方と競演できるということがどれほどすばらしいかと,思っているのですとおっしゃっていました。
このコメントの格好良さが,演奏のレベルの高さを証明していたように思います。
 
 オーケストラの演奏家が,あるいはジャズメンがみんなそうだとは言いませんが,ジャンルによらず,尊敬と憧れを持つ事の出来る公平さこそ一流の証であると,そんな風に感じました。

 あれから1週間,まだ編集をしてないのですが,早めにしたいと思います。そういえば10月にはテレビでも放送するらしいので,楽しみです。

こんなことがありました

 先日,こんな事がありました。

 私は,毎週火曜日の朝,会社の近くの本屋さんに定期購読をお願いしている「鉄道データファイル」を買いに立ち寄るのを楽しみにしています。

 毎週毎週,必ず本屋さんに立ち寄る用事があるというのは面白いもので,なにか面白い本が出ているかも知れないという期待もありますし,季節ごとにあるキャンペーンが始まったとか,新しい雑誌が出ているとか,果ては店員さんが増えたとか,そういうことが分かったりするものです。

 母親が長く本屋に勤めていることもあり,私も本と本屋さんが大好きで,冷やかしでも案外店員は邪険にしないことを知っている私は,その雰囲気を気軽に楽しんでいます。でも実は,ついつい他のものも買ってしまうんですが・・・

 大体1年ほど,この本屋さんにお願いしていたのですが,その日の朝もいつも通り,レジの店員さんに話しかけました。


店員さん:いらっしゃいませ。
わたし :取り置きをお願いしているxxxですが。
店員さん:***さんですが?
わたし :いえ,xxxです。(聞き間違いを訂正)
店員さん:少々お待ち下さい。

(背後の棚をみるが見つからないらしい)

店員さん:書名はなんと?
わたし :鉄道データファイルです。

(再度探してようやく見つかったらしい)

店員さん:定期ですね。
わたし :そうですね。
店員さん:定期と取り置きは違うので,次回からは定期とおっしゃってください。
わたし :・・・わかりました


 結構きつい言い方をされたこともあり,なかなか素直に納得出来なかったのですが,あいにく私の後ろには何人も列んでいたので,ごねるのはやめようと思いました。それで結局「わかりました」といって店を出たのですが,やっぱり釈然としないのです。

 私の視点で言うと,素人のお客に,取り置きと定期購読の区別は付かないんではないかと思うのです。店頭に出す予定の在庫から1冊私の分を確保するのを取り置き,私のために1冊出版社から毎号毎号送られてくるのを定期購読,とすると,その違いは本屋さん内部の処理の違いですし,そもそも私は希望している本を手に入れたいだけなので,どっちでも構いません。

 定期購読という言葉をお客さんが全員知っているかと言われれば,やはり業界の用語に近いので,取り置きという普通の日本語よりは知られてないように思います。それをお客が使いこなさないと,本が出てこないというのは,ちょっと敷居が高いんじゃないのかなあとも,思うわけです。

 9月になって最初でしたし,もしかすると本屋さんの仕組みが変わって,定期と取り置きを明確に区別することになり,お客さんにもきちんと分けてもらおうということになっていたのかも知れませんが,それにしても「取り置き」と言ったお客の商品が見つからないときに,定期購読で探し直してみようと思ってもらえないのも,不思議な気がします。

 そんな風に考えて,その日一日,とても沈んだ気持ちでいました。

 毎週のことですから,次の火曜日も同じ事を言われるのではないか,迂闊に「取り置き」などといってしまったら,また怒られるんじゃないかと,そんな風に気を遣わねばならないことも,負担に感じていました。そう考えると,それまで楽しみにしていた火曜日の朝が,楽しくないものに見えてきました。

 こりゃーいかん,そう思った私は,本屋の立場も聞いてみようと,母親に電話してみました。母親はこの道30年です。

 私の話を一通り聞いた母は,「それは本屋がおかしいな」と結論しました。それが定期なのか取り置きなのかは,本屋の内部の話であって,お客さんには全然関係ない,どっちで話をされても,本屋なら同一視するもんだ,ということでした。

 まして1年も買い続けたお客さんに,定期だといえ,というのは失礼だと,そんな風にいいました。母は,定期購読者は慣れてくると,名乗らない人も出てくるくらいだと笑っていいます。

 母親は続けて,電話して問いただしてみなさい,と言います。私も,正直毎週火曜日の朝が気が重いので,定期購読を解約しようと思っていましたが,それを電話で言うか,直接本屋さんでいうか,迷っていました。母は,その本屋の本部に電話してみろ,ともいうのですが,それはさすがにやめました。

 結局,翌日その本屋に電話し,責任者の方に変わって頂いて,当日のやりとりを説明した後,定期購読を解約しました。意地を張っているのでも,嫌がらせでもなく,やっぱり朝っぱらから怒られたこと,それが毎週毎週続くと思うと憂鬱になる,という理由を,正直に伝えました。

 本屋さんは,「レジの担当がそう申したのですね。それは完全に私どもの落ち度です。謝って済むことではないのですが,申し訳ございません。」と,平謝りでした。

 その責任者の方は,私のことをよく知ってらっしゃるとのことで,毎週発売日の朝に来ていることを把握していたそうですが,当然取り置きと定期を区別することはしていないし,それをお客さんに区別してもらえ,と言ったこともないということでした。

 言い訳になるかも知れませんが,と前置きされて,おそらく一度探して見つからなかったことをお客さんの言い方のせいにしたかったのだろうと思います,ということでした。

 本人にはよく注意しておきます,といわれるので,別に謝って欲しいわけでもないし,叱って欲しいというわけでもないので,と伝えると,他のお客さんにも同じ事をするかも知れないので,これはきちんと指導します,ということでした。

 会社の近くで,便利にしていた本屋さんだけに,今後一切行かない,ということはないと思う,ただ今回の定期購読の件は,毎週毎週のことだから申し訳ないけども,解約すると伝えて,電話を切りました。

 実際,私も今後その本屋さんには何度も足を運ぶと思うのです。むやみにケンカをしても,私だってなんのプラスにもなりません。

 他の本屋さんに定期購読の申し込みをして,この件は一応解決したのですが,しばらくの間モヤモヤとしたものがあって,すっきりしませんでした。怒られた店員さんはどう思うのかなあとか,もしかしたら私の勘違いだったらどうしようかなとか,今度その本屋に立ち寄った時に謝られてしまうようなことがあったら困るなあとか,いろいろ考えてしまいました。

 きっと店員さんには,店員さんなりの事情や考えがあったのでしょう。それもきちんと聞かないうちに,電話で一方的に責任者に話をした私のやり方が本当に正しいかどうかは,ちょっとわからないとも思っています。でも,意外なことで怒られたという印象は間違いではなく,それが誤解や勘違いであったとしても,「取り置きと定期は別なので次からは定期と言ってください」は余計な一言だったと,そう思います。

 偉そうなことをいうようですが,お店というのは,ちょっとしたことでお客さんが離れていくものです。今回のような明らかなきっかけがなくとも,わずかな雰囲気の変化や居心地の悪さで,自然に足が遠のくものです。

 ポイントカードを両手で返すことはしてくれても,レシートやおつりは片手でポイ,では片手おちだなと思いませんか。

 あるいは,残高がゼロになった図書カードを,問答無用でゴミ箱に入れられたら,どう思いますか。残高がゼロでも,その図書カードはお客さんの持ち物です。大事な人からのプレゼントで記念に取っておきたいかも知れません。図案が気に入って残しておきたいと思っているかも知れません。

 なぜ両手でポイントカードを渡さないといけないのか,残高ゼロの図書カードは価値が本当にゼロなのか,そうしたことに想像力を持っているかどうかを,お客さんは無意識のうちに感じているものです。

 本屋さんというところは,店員さんの想像力が豊かで,そういう方々の働く姿を見るのも私の楽しみの1つでした。今回の電話についても,私の立場に立ち,想像力を働かせて謝ってくださったので,そこはさすがだなと思ったわけですが,出版不況と通販の台頭に加え,売り上げは上がらないのに入荷と返品が増え続け,本屋さんは肉体労働という現状がますます進む昨今,本屋さんがどうやったら愛され,生き残っていけるのかを,業界として考えて頂いて,そしてきちんと生き残って私のような本屋さん大好き人間の期待に応えて欲しいなと,勝手ながら思います。

友人のミニコンポが直った理由

 友人宅のミニコンポですが,どうも直ったようです。

 昨年に同じような事があり,この時は私がうかつに落とした汗が原因と結論したのですが,今回は汗は落としていません。

 昨年はACコードを抜いて一晩放置してあったのですが,今回もそれを試してみる必要があると,友人に頼んで一晩ACコードを抜いておいてもらいました。

 すると翌日,無事に音が出たとのこと。

 ACコードを抜いて長時間しないと,マイコンのリセットがかからないのでしょう。でも,リセットがかからないからといって,ミュートしっぱなしと言うのは,なんとなくバグの匂いがプンプンするのですが・・・

 ちなみにこのミニコンポ,ビクターのNX-MD3という型名のようです。当時友人は,それなりに電気屋さんで聞き比べて品定めをしたそうで,少々値が張ったが良い買い物だったといっています。

 事実,ミニコンポとしては評価も良かったらしく,私自身もなかなか良い音になっていると思っていました。特にスピーカーの性能については,やや低音が出すぎているかなと思う以外は,定位感も良くて,それなりに評価されている理由も分かる気がします。

 CDのサーボのノイズが出てくることや,アンプ部のここ一番の底力などには不満があり,その辺はやっぱりミニコンポだなあと思っていたわけですが,スピーカーの素性の良さは,スピーカーだけでもオークションで数千円で売れることから考えても,実力はあるのでしょう。

 だから,とりあえず直ってよかったと思います。

今年も花火2

 続きです。

ファイル 214-1.jpg
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ファイル 214-3.jpg
ファイル 214-4.jpg

 今年はRAWで撮影し,NX2でうっかり自動にしてしまっていたホワイトバランスを自然光に設定し直し,露出補正を行った上で,網戸でぼやけてしまった画像を少しシャキッとするためにアンシャープをあっさりかけ,リサイズしました。トリミングも色の調整もノイズ除去もやってません。

 どれも露光時間は1秒から2秒の間で調整,露出はF16からF22程度で固定してあります。どっちかというとどれもアンダー気味でしたので,露出補正で0.3から1段程度持ち上げてあります。

 見て頂くとわかるのですが,手ぶれ補正の威力が出てます。拡大するとわかるのですが,花火の玉の爆発が綺麗な点になっていて,そこから放射状に輝線が描かれています。

 ところで,昨年,レンズクリーニングの後音が出なくなり,翌日には復活した友人宅のCDプレイヤーですが,今年も同じ事がありました。

 サーボがまたかからなくなってしまった,という話を聞き,予防的措置としてレンズのクリーニングをやって,ついでにレーザーダイオードの電流を少しだけ増やそうと考えたのですが,組み立て直すとサーボはきちんとかかるくせに,やはり音が出ません。MDからの音は出ていますし,MDへのダビングも出来ているので,やはりアナログ系だろうと思います。

 また同じだと頭を抱えましたが,オシロスコープもないので昨年同様音が出ないまま組み直すしかありません。昨年とは違って2日経過した現在も音は出ていない様なのですが,接触不良ならLとR同時というのは考えにくいし,それに部品や基板を触れば「がさごそ」というノイズが出てくるものですから,それも疑わしいです。

 ハンダのクラックかも,と思ったのですハンダゴテでなめてみたのですが変わらずで,もうお手上げでした。症状から考えると,アナログミュートの回路の誤動作ではないかと思っているのですが・・・ということは,マイコンからの制御信号からミュート用のトランジスタまでの経路が怪しいことになります。

 昨年の艦長日誌を読み返してみると,汗の可能性と,ACを抜いて一晩放置の2つをやってあるようです。おそらく汗だろうで片付けていますが,今年は汗は落としていないので,残るはACですね。これは試していないので,やってみることにしましょう。

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