記事一覧

アドエスのUSBにBluetoothを挿しっぱなしにする方法

 BluetoothをUSBに取り付けたことで,アドエスはサスペンドしなくなります。私の場合,電話としてアドエスを使いませんし,メールもプッシュで受け取りませんので,サスペンドにならないことそのものは別にどうでもいいことなのですが,だからといってLCDが単純に消えると言うだけでは,CPUもメモリも動き続けていますから電池があっという間に切れてしまいます。

 だから,私の場合電源をOFFにしてキーロックが出来ればそれが一番良いわけです。

 しかし,定番アプリであるlock2suspend.exeは,サスペンドに入れる機能はあっても電源を切るという機能はありません。

 困ったなあといろいろ調べていたのですが,なかなかアクロバットなことでどうにか実現しました。複数のアプリケーション間の非同期タイミングで動作している感じですので,私自身の備忘録として,ここに書いておきます。

・用意するもの

lock2suspend.exe
MortScript4.1
KLChgExec


・基本的な流れ

 キーロックスイッチがONになったら,KLChgExecがONになったことを検出,MortScriptでスクリプトを実行。

 もしTCPMPが起動中の場合には,LCDを消しておしまい。

 それ以外なら,5秒間ウェイトさせる。しかしlock2suspend.exeも常駐しており,この5秒間の間に通信の切断とLCDの消灯が起こる。

 そしてキーロックスイッチがONになった時刻を起点として5秒後に,電源がOFFになる。

 キーロックスイッチがOFFになると,今度はlock2suspend.exeによって起動し,通信の接続も行われる。(てことは,やはりlock2suspend.exeにとって電源OFFもサスペンドも同じ,ということなのかなあ)


・設定

(1)電源をOFFにするために,MortScriptのスクリプトを用意する。PowerOff.mscrとして保存しておく。私の場合はMortScriptと同じフォルダに入れておいた。

If( ProcExists("player.exe") = 1)
ToggleDisplay(0)
Else
Sleep(5000)
PowerOff
EndIf
Exit


(2)次にKLChgExec.iniを以下のように記述する。

[KLCHGEXEC]
KEYLOCK_ON_APP=\Program Files\MortScript\PowerOff.mscr
KEYLOCK_ON_ARGS=


(3)lock2suspend.exe用に,notconf.txtを以下のように書いておく。

notsuspend=TCPMP
notdisconnect=TCPMP


(4)lock2suspend.exeを,/force /disconnect /connect /keepmodemで常駐させる。


(5)KLChgExecも常駐させる。


・運用

 キーロックスイッチをONにしても,TCPMPが動いている時には,LCDが消えるだけ。

 それ以外の場合には通信の切断が始まる。同時に5秒後に電源が切れるように設定される。通信の切断は5秒以内に終わるはずなので,切断されてから電源OFFになる。この段階で点滅していたBluetoothのLEDが消灯すればOK。

 電源が切れた状態でキーロックスイッチをOFFにすると,今度はlock2suspend.exeだけで起動し,通信の接続も行われる。ここでMortScriptを使っていろいろやってみたが,LCDが点灯と消灯を繰り返したりして動作が不安定だったので,ややこしいことはしないでlock2suspend.exeにおまかせ。

 USBになにも繋がっていない場合にも上記と同様の動きになるはずで,キーロックスイッチがONになってから5秒後に電源が切れているはず。(というのも,外側からは電源が切れているのかLCDが消えているのかサスペンドなのか見分けが付かない)

 電源が切れてからキーロックスイッチをOFFにすると,これも上記と同様にlock2suspend.exeによって電源が入り,通信の再接続が始まる。


 問題点

 キーロックスイッチがONの時に電源ボタンが押された場合,とても困った事が起きる。

 電源ボタンだけはキーロックスイッチでもマスクされないため,せっかく電源が切れた状態にあっても,電源ボタンに触れてしまうと,キーロックスイッチがONのままアドエスが立ち上がってしまう。

 USBになにも刺さっていないなら,そのまま1分ほどでサスペンドに入るため問題はないのだが,USBにBluetoothが刺さっている状態ではサスペンドに入ることはないので,ずっと動作状態のまま。

 /forceオプションで画面をすぐに消すようにしてあっても,実際には動作している状態なのでBluetoothのLEDも点滅をしているし,おそらくこのままなら数時間で電池が切れてしまうはず。

 この状態を発見した場合,電源ボタンで電源を切ることが出来ないので,結局キーロックスイッチを一度OFFにし,再度ONにしないといけないので,大変面倒。電源ボタンを無効にする方法があったら解決なんだが・・・


 ということで,問題点は積み残していますが,一応USBコネクタにBluetoothを差し込んだままで使い続けられそうな感じです。

 しかし,この電源ボタンの対策だけは,もうどうにもならんだろうなあ。

最小のBluetoothドングルにチャレンジ

 昨日書いたアドエスにBluetoothのお話ですが,さらに小型化を目指して頑張ってみました。「あくまで変換コネクタにこだわる」とかいいつつ,舌の根も乾かぬうちにアドエス専用のドングルになってしまいました。

 昨日の問題点は,なんといってもドングルの飛び出しが激しいことです。変換プラグも飛び出していますが,そこにさらにドングルを差し込むとさらに数ミリ飛び出します。

 この飛び出しを押さえるために,基本的にはドングルを本体の背中に持っていくというのが今回の作戦の方針ですが,そのために解決すべき点が3つあります。

 1つは,miniBコネクタ部分の飛び出しを押さえることです。普通にminiBコネクタを差し込むと,30mm位は飛び出してしまいます。

 もう1つの問題は,背面に回す以上,ドングル部の厚みを極力薄くしないといけないということです。もしドングルをそのままの形で使うとすると,厚みは5mm近くになります。背中が5mmも出っ張ってしまうと,持ったときに邪魔だけではなく引っかけて壊してしまうかも知れません。

 最後に,USBのカバーを外さないと裏側にまわせません。これはもうどうしようもないので,カバーを外して使う事にします。


 1つ目の問題は,コネクタのうち電気的な接点の部分が飛び出すことはやむなしとし,そこからケーブルを引っ張り出している部分を即裏側に曲げてしまうことで,飛び出しを極力抑えようとしました。折り曲げた部分をドングルの固定に使う作戦は,前回と同じです。

 結果はこんな感じです。

ファイル 295-1.jpg

 どうですか,もうこれ以上飛び出し量を小さくするのは無理でしょう。強度的な問題もあるように思いますが,飛び出す方がかえって危ないと思います。

 2つ目の問題はよく考える必要があります。厚みそのものを減らすためには,このドングルの厚みが結局USBのAコネクタの厚みそのものであることから,分解して中身の基板を使うことしかもうありません。

 しかしそうすると,基板の固定方法が問題になります。両面テープで接着などと言う安易な方法を使うと着脱が出来なくなります。

 また,基板だけ使うと言っても,最終的な厚みが激減するわけではありません。部品によっては2mm近い厚みのものもあるわけですし,部品は基板の両面に付いている訳ですから,最悪値としては4mmくらいになる部分もあるかも知れません。

 アドエスにはカメラが付いています。カメラの横にはmicroSDカードスロットが付いているのですが,この部分だけ盛り上がって,1mm程盛り上がっています。ここに基板を沿わせて,うまくごまかすことを考えてみます。引っかけて壊してしまう危険性も減るでしょう。

 固定場所は決まりました。次は固定方法です。先程のminiBコネクタの板金が背面まで折り返されていますから,まずはこれを基板のGNDにハンダ付けします。そして基板と本体背面が接触する部分に1mm厚のスポンジテープを貼り付け,折り返した板金のバネ性を利用して,背面に心持ち押しつけるようにして固定するようにします。

 やってみると,案外良い感じです。あとは配線を済ませて完成。

 こうして出来たのが,下の写真です。

ファイル 295-2.jpg

 はっきりいって,これは商品としてはあり得ませんね。素人の工作ならではの,まさにこだわりの一品と思って頂けるとありがたいです。

 本体に取り付けるとこんな感じです。

ファイル 295-3.jpg

 コネクタ部の飛び出しも小さいですし,背面にまわした基板の盛り上がりも思った以上に少なく見えます。カメラ部の出っ張りに沿うように配置したことはなかなかあったようです。

 心配した電波の飛びについてですが,結果から言うとほとんど差がありません。隣の部屋でも音切れはありません。ファイル転送も,実効速度の低下は認められず,少なくとも実用性が低下することはないようです。

 実際にこれで音楽を聞いたりファイル転送をしたりしましたが,ほとんど飛び出しがありませんから,内蔵の使い勝手とまでは言いませんが,それに近いくらいの感覚で使えます。かなりいいですよ,これは。

 内蔵するともっといいのですが,そうするとUSBがふさがったままになってしまいますから,やっぱりそこまでは出来ないですね。もちろん,USBハブまで内蔵すれば良いのですが,OnTheGoに対応したハブなど聞いたことがありませんし,仮にあったとして,そこまでやるのかといわれれば,さすがにちょっとどうかと思います。

 気に入って使ってみようと考えたのですが,しかしいつものように問題が発生。

 1つは,アドエスはUSBにケーブルを差し込んでおくと,それだけでサスペンドに入らないのです。小型につくった専用ドングルは,付けっぱなしを前提に考えており,だからこそUSBカバーも取り外すことにしたのですが,画面が消えるだけでサスペンドに入ってくれないというのはさすがに付けっぱなしには出来ません。

 もう1つは,そもそもこれを使っていいものかどうか,です。考えてみるとAコネクタに刺さる形で認証が取られた製品なわけで,これを分解して使う事にした今回のケースは,実用上はなんら問題は起こらないとは思いますが,実は認証されていない違法無線局ということになり,電波法に触れてしまいます。

 犯罪者になりたくないので,もう使うのをやめなくてはいけません・・・残念。

 ということで,なにかと道は険しいですが,とりあえずここまでで,火の付いたホビースト魂は沈静化しました。

 こういう工作は得意な私も,筐体をこしらえたり加工したりするのは下手くそで,見栄えのいい外観を作る人たちにはいつも感心します。今回,もう使えないことを考慮して,絶縁も兼ねて全面をスポンジテープで覆って終わりにしましたが,見栄えはよろしくありません。

 あやしいものがくっついているので,電車の中で取り出したりすると通報されたりするかも知れません。

アドエスにBluetooth

 アドエスの環境構築も終わり,運用もこなれてきました。今まで電車の中で携帯電話で暇つぶしをすることなど決してなかった私でさえも,アドエスがあるとメールにWEBブラウズにと,使うようになりました。

 クロック600MHzオーバーのCPUでこのもっさり感はやはりWindowsCEの伝統とあきらめていますが,TCPMPで動画を再生したりすると,CPUクロックが一昔前のパソコン並みであることを思い知らされます。

 さて,今回のお話はアドエスとBluetoothです。アドエスのUSBがOTGであること,Willcom公認のUSBドングルを始めPC用の安価なドングルも特にドライバ無しで利用できる話は非常に初歩的なことで,なにを今さら的な話ですが,最近なにかとBluetoothにかかわることが多い私としても,ぜひ試して見たいと考えていました。

 まず,miniABコネクタのUSBを,標準Aコネクタにする変換ケーブルが必要です。長いものは邪魔ですし,高価なのも馬鹿馬鹿しいので,amazonで安いものを探します。うーん,20cmが最短か。

 USBドングルは,さっと探しても動作実績がなかったのですが,小さい事,安いこと,そして低消費電力なことを理由に,プラネックスのT-MicroEDR2Xを試すことにしました。1000円ちょっとでドングルが買えるのは結構ですが,ヘッドセットなどの相手の機器が1万円近くするのは,どう考えてもおかしいです。

 結論からいうと,この組み合わせで全く問題なく動作しました。手持ちの機器の関係で試せたものはごく限られますが,A2DPとファイルの送受信(これについては後述)は問題なし。

 よく知られた事ですが,アドエスはHFPやHSPに対応していないらしいですが,私はアドエスを通話に使う事はゼロなので問題なし。skypeは使うかも知れませんが,無理にBluetoothで話そうとも思いませんで,悔しくないです。

 microSDに8GBを奢っている私は,そのうち4GBほどを音楽のファイル(AAC)で埋めてみたのですが,これをTCPMPからプレイリストを使い,Bluetooth経由で再生すると,煩わしいケーブルもなく,ちゃんと音楽が聴けることにちょっと感心しました。使ってみるといいもんですね。

 しかし,先日購入したiPodShuffleの方が,ステレオヘッドセットよりもずっと小さいというのが困った話です。

 次にファイル転送のお話です。A2DPによるワイアレスヘッドフォンについては,否定的な考えはしなくなりましたが,音楽プレイヤー本体が小さくなった昨今,特別に有用なものとは思えません。

 しかし,ファイル転送をやってみて,Bluetoothの便利さに私は開眼しました。例えば,使い慣れたMacBookProでアドエス用のフリーソフトをダウンロードしたとします。cabファイルをアドエスに転送する必要がありますが,今まではメールで送信していました。大きなファイルだと時間もかかるし,一手間も二手間もかかるのが煩わしく思っていました。

 microSDカードにMacで書き込めばいいのですが,MacOSXでは.~というファイルを作りますし,経験的にMacはFATファイルシステムがいまいちで,バックアップファイルなども入れてある大事なSDカードだけに,これもちょっと遠慮したいところです。同様の理由で,マスストレージとしてアドエスを直接Macにマウントするのも避けたいです。

 無線LANを使ってファイル共有をするとか,FTPサーバを立てておくとか,まあいろいろあるとは思いますが,いずれも手間がかかりますので,100kByte程度のファイルをさっと転送する方法があればと思っていたのですが,昨日ふとしたことをきっかけに試して見ることにしたのですが,これが実に快適です。

 Macからアドエスにファイルを送信,とすると,アドエスがBluetooth経由でファイルを受け取ってくれます。対応するサービスがないとMacに怒られますが,無視して送信するとちゃんと送信されています。アドエスからは,ファイルをビームで送信とすると,Macで受信が出来ます。最大でも50kByte/secくらいしか速度が出ませんのであまり大きなファイルはダメですが,アドエスで撮影した写真くらいなら問題なし。

 ついでにpalmTXでも試して見ましたが,これはなかなか難しいです。palmからの送信は出来るのですが,Macからpalmへの送信が出来ません。アドエスからpalmへの転送は出来たので,きっとMacでも方法があるのでしょうが,出来たところで実用性もないので,もう深追いはしません。

 これにVAIO Uが参加できれば,うちのマシンはほとんどすべてBluetoothでファイルのやりとりが出来るようになります。これはきっと便利になるだろうと,いま同じUSBドングルを追加で注文しています。

 ここでふと気が付いたのは,Bluetoothでファイルの送受信をおこなうというのは,単に物理的に電線を無線にしてしまえること以上に,ファイル構造やファイルシステム,プラットフォーム依存の問題を飛び越えてやりとりできるコンバータとしての性格が強いということです。

 例えば,アドエスのSDカードにあるテキストファイルをpalmに転送しますが,この時SDカードはFAT,palmTXは独自のファイルシステムです。hogehoge.txtはpalmの本体メモリに格納されるとき,hogehoge.pdbという名前になり,データベースとして記録されます。ファイル構造も違うので,ファイルコンバートも行われているわけです。

 Macも,Windowsも,palmも携帯電話も,それぞれ互換性のない仕組みを共通化した方法で送受信し,機種依存性の壁を越える世界は,確かにUSBでもメモリカードでも可能ですが,デファクトスタンダードによる「結果としてのデータ互換」ではなく,最初から互換が取れるように構築された世界の自然な使い心地は,とても手に馴染むものです。

 ということで,Bluetoothはハンズフリーでも,ワイアレスヘッドフォンでもなく,パソコンと携帯電話でデータのやりとりがサクサク出来るものとして,再定義されました。これはいいですよ,奥さん。

 さてさて,すっかり盛り上がった私は,さらにアドエスでBluetoothを身近にするべく,構想を練り始めました。世の中にはWillcomには見切りを付けてもアドエスは手放せないというわがままな人がいて,W-SIMの跡地にBluetoothを内蔵するという猛者もいらっしゃるわけですが,私の場合はそうはいきません。

 まず,これまで使っていたminiABを標準Aコネクタにするケーブルです。

ファイル 294-1.jpg

 20cmでも長いので3つ折りにして縛って使っています。それでもこの煩わしさです。持ち歩くのは許せても,これを電車の中でアドエスに繋げて,わざわざステレオヘッドセットで音楽を聴くなんて,周りの人はクスクス笑うに違いありません。

 悔しい(なにがだよ)ので,究極の変換コネクタを作る事にしました。当初,ドングルを分解してminiAB型のドングルを作る事を考えましたが,実はこの手の超小型ドングルは,USBコネクタの部分にも部品があるので,分解して専用化改造を行っても,あまり小さくなりません。使い回しもしたいし,緊急時にはUSBメモリやキーボードも繋ぎたいので,あくまでminiABを標準Aに変換するコネクタにこだわることにします。

 miniAB側は,余っているminiBケーブルに犠牲になってもらいます。miniBでも刺さりますし,4pinと5pinをショートしてGNDに落とせばminiAとして認識しますから,これは問題なし。miniBコネクタの外側をカッターで削って中身を取り出します。

 標準A側は,USB1.1の,もう二度と使う事もないハブから取り外しました。このハブは奥行きが小さいタイプで,コネクタもかなり小さくできています。好都合です。

 miniBコネクタとAコネクタをハンダ付けして固定し,ご丁寧に捩った電線でそれぞれの電極にハンダ付けをします。持ち歩くものですから,露出した金属部分をスポンジテープでぐるぐる巻いて,絶縁と衝撃吸収を期待します。

 そして出来たのが,これです。

ファイル 294-2.jpg

 なかなか小さくできているでしょう。はっきりいって,素人ではもうこれ以上小さいものは作れないと,その時は思ったものです。

 それで,ドングルをAコネクタに差し込んだのが,これです。

ファイル 294-3.jpg

 うーん,でかいです。思った以上に大きくなります。特に長さ方向が長くて,これがアドエスから飛び出すことを考えると,かなり使い勝手が悪そうです。しかし,これ以外にはドングルをアドエスの背中に回すような方法しかないように思います。

 どれくらい不格好か,と言えば,

ファイル 294-4.jpg

 という塩梅で,かなり不格好だし,引っかけて本体の基板を壊してしまいそうな危なっかしさがプンプンしています。

 動作は問題なく,以前のような20cmのケーブルを介した接続に比べて格段に便利になったとは思いますが,それでもこれで完璧というのはほど遠いものがあります。これだけ飛び出してしまうとかえって面倒という声も聞こえてきそうです。

 さっき言ったように,Aコネクタをアドエスの背面に回して,ドングルも背面に持ってくることで飛び出しを押さえることも可能でしょうが,それにしてもminiBコネクタを折り曲げる必要があるわけで,5mmくらいの飛び出しは覚悟しないといけないでしょう。今後の検討課題ですね。

 いずれにせよ,アドエスのような高機能な携帯機器というのは,ほかと繋がって価値が倍増するものです。W-SIMによってWANが,Wi-FiによってLANが,そしてBluetoothによってPANが実現するというのは,可能性が広がっていくものだとつくづく感じました。

Niftyを解約

 私は17年ほど前からNiftyの会員でした。随分長いように思いますが,私などまだまだ序の口で,黎明期からNiftyを育ててこられた方々には頭が下がります。

 Niftyに加入したのは,フリーソフトを手に入れたいという気持ちがあったのと,フォーラムをみたいと気持ちがあったからです。加えて電子メールが使え,当時ようやくインターネットへの接続が行われた時期でもあり,これは毎月の会費を払っても価値があると判断しました。

 思い起こせば,Niftyに加入するためにクレジットカードをこしらえましたし,就職の際にオシロスコープやMacintoshSE/30を売却したのも,Niftyの「売ります買います」でした。

 中央集権型のパソコン通信サービスが産声を上げたのは80年代で,一説では市内電話が無料ゆえアメリカで普及したと言われていました。

 日本でもNTTが電話回線を開放し,モデムを素人が取り付けられるようになると,富士通がNiftyServeを,NECがPC-VANを,工学社がTelStarをスタートさせましたが,高額な電話料金に高価なモデム代,その割に手に入る情報の少なさでなかなかメジャーになることはありませんでした。

 私は当時,パソコンは個人が自由に使いたいだけ使えるのがパソコンなのであって,銀行のインラインシステムのようにホストコンピュータに電話回線で繋ぐなんてまっぴらごめんだと思っていました。繋がった先の都合で速度や表現力,出来る事が制約されるなど,パソコンのあるべき姿とは違うと思っていたのです。

 今,パソコンはネットワークに繋がらないと価値をほとんど失います。逆の見方をすればパソコンはネットワークに参加すると,その価値を何倍にも増幅させるということになるのですが,今ほどパソコンがネットワークをのぞき込む「窓」になるなんて,当時は想像だにしませんでした。(結果論ですがWindowsとはよく言ったものです)

 当時NiftyServeと呼ばれたパソコン通信サービスは国内最大の無敵を誇り,ここにない情報は国内にはないのではないかと思うほど充実していました。確かに中央集権型の通信ではありますが,情報の発信者になることが出来る仕組みはとても珍しく,発信者が増えるほどそのネットワークの価値は上昇し,それがまたさらに人を集めるという循環を繰り返していきました。

 当時はそれでも安い市内電話で繋げられる大手はなく,市内電話で繋げられるローカルな小規模なパソコン通信サービスがあちこちに存在していました。「草の根ネット」と呼ばれたそれらホストサービスは多くが有志によって無償で行われ,地域ごとの特色を活かした,規模とは違う別の面白さを我々に見せてくれていました。

 今では信じられないことですが,電波新聞社からパソコン通信サービスを集めた電話帳が毎年売られていたのもこの時期です。

 やがてインターネットの時代が訪れ,中央集権型のパソコン通信は廃れていきます。大手もインターネットの接続を果たし,ホストにある情報はインターネットからもアクセスが可能となりました。

 インターネットへの参加に必要なIPアドレスを貸し出すインターネットサービスプロバイダが現れ,大手パソコン通信業者も,インターネットサービスプロバイダへの転身を図ることになったのが90年代中頃の話です。

 他社と同じく,Niftyもホストサービスを停止し,膨大な情報を持つフォーラムは,インターネット上に散っていきました。

 私は,Niftyはフォーラムがキラーコンテンツだと思っていましたから,これが消滅する段階で利用する理由が消えてしまいました。それでも月々210円でこれまで長く使ったメールアドレスが維持できるというので,プロバイダは別の所を使っていながらも,Nifyuに毎月210円支払っていたのです。

 しかし,考えてみると全く無駄です。メールアドレスは全く利用せず,Niftyあてに出す人も全くいません。Niftyの会員サービスに特に魅力的なものはなく,唯一公衆無線LANが利用できることくらいでしょうか。

 先日,Willcomのサービスを月々980円で受けることにしたことはここにも書きましたが,この月々980円のコストを少しでも軽くするために,Niftyの解約を思い立ちました。

 実は今のNiftyの最低料金は262円です。210円というのは移行措置で用意された金額であり,新規での加入は出来ません。本当にメールアドレスの維持費用という感じです。

 そういう点でも,何度もNiftyの解約を考えては断念することが多かったのですが,使用実績や今後どれくらい世話になるかを考え,4月30日付けで解約をすることにしました。

 WEBから解約の手続きが出来るのですが,非常にあっけなく手続きは終わりました。そして3日ほど前,手続き完了のはがきが届きました。

 これまで,Niftyには随分お世話になりました。かつては「他と群れるなんて」と無頼を気取っていた私も,PC-9801を使う頃にはNiftyへのアクセスが楽しみで仕方がなく,ディスプレイが大きな世界の覗き窓になっていたことを実感していました。

 海外出張の時には現地に用意された提携ネットワークサービスのアクセスポイントからローミングで接続し,日本の友人達と電子メールでやりとりを続行できました。

 次々と新しいことが出来るようになった時代を過ぎ,今のNiftyは今ひとつ当時の気概を感じません。当たり前と言えばその通りなのですが,結局サービスプロバイダへとしてのNiftyにとって重要なのは,毎月決まった金額を支払ってくれる会員数が重要なんだろうという事でしょう。

 その点で,かつてのパソコン通信サービスにあった各社の差とそれに基づく選択肢というのは,今はもうないということになります。どこを選んでも同じ,もちろん各社差別化を意欲的に行っていますが,その差を欲しがる人が少ない,言うなれば「繋がる」「IPアドレスを貸してもらえる」こと以上に期待している人が少ないというのが実際の所でしょう。

 いくら会員限定動画配信を行っても,それを見たい人がどれだけいるのか,それがその会社の個性になり得るものかを考えてみると,残念ながら弱いというのが私の意見です。

 ということで,ここ数年間Niftyを全く使わなかった私は,解約してからこっち,解約したことも忘れてしまうほどNiftyと無縁の日々を送っていました。私がNiftyの人間だったらと考えてみると,ここ数年私のような人間にとって全く価値も意味も持たずに変化をしないでやってきたことは驚きですし,それでも存続できたという事実が,不思議でなりません。もしかすると,私が知らないだけでNityにはとても個性的でNiftyでしか楽しめないなにかが,あったりしたのかも知れません。

珍しいフロッピーディスク

 先日実家に戻った際,ちょっと変わったフロッピーディスクを見つけました。

 35歳くらいの人にとっては,5.25inchと3.5inchのフロッピーはおなじみですね。40代になると8inchを使っていた人もいるでしょうが,これらメジャー選手を知っているのは,まあ珍しいことではありません。

 今回ご紹介する2つは,完全に傍流のフロッピーディスクです。

(1)3inchコンパクトフロッピーディスク

 日立がドライブを,メディアをマクセルが規格化したとされ,松下なども加わった小型フロッピーで,ソニーが立ち上げた3.5inchフロッピーディスクの対抗規格です。

 3.5inchが「マイクロフロッピーディスク」だったのに対し,3inchの相性は「コンパクトフロッピーディスク」です。まあ,5,25inchが「ミニフロッピーディスク」ですから,順当に考えるとマイクロが正しい様に思えます。

ファイル 292-1.jpg

 すみません,手ぶれしてますね。

 大きさは横幅が3.5inchフロッピーディスクよりもやや小さく,その代わり縦長です。3.5inchと同じようにハードケースに入れられていますが,厚みは3.5inchの倍近くある感じでしょうか。

 3.5inchと仕組みは違いますが,一応金属製のシャッターが付いていて,要するに8inchや5.25inchの問題点とその克服は,日本のメーカーが主導すると同じような方向に向くということでしょう。

 3.5inchと決定的に違うのは,裏返して使えることです。これは8inchでも5.25inchでもなかったことです。片面しか使わない場合でも,裏返すことが出来なかったこれらのフロッピーディスクに対し,3inchについては裏返して使う事が出来るのです。もちろん,両面ドライブの場合には裏返す必要などありませんから,この特徴はあまり大したものではないかも知れません。

 あと非常に重要なことですが,この3inchフロッピーディスクは,電気的にも論理構造的にも,5.25inchの同一になっていて,物理的に違うだけなのです。OSやファイルシステムなどは5.25inchと全く同じものが使え,本体からはあくまで5.25inchのフロッピーディスクとして見えるようになっています。

 3.5inchもそうじゃないか,と言う人はいると思いますが,最初は違っていたんです。ソニーが立ち上げた時のフロッピーディスクは毎分600回転で5.25inchの倍の速度でした。論理構造も違っていて,5.25inchとは別の仕組みが必要でした。

 3inchフロッピーディスクの影響かどうかわかりませんが,その後3.5inchも回転数を5.25inchと同じにし,論理構造も5.25inchと同一になりました。ただ,当時主流になっていた5.25inch両面倍密度(いわゆる2D)とまったく同じに扱うことが出来たのは3inchフロッピーディスクだけの特権で,これを武器に5.25inchからの置き換えを狙ったんだと思います。

 なぜ衰退したのか分かりませんが,3inchに2DDや2HDが出なかったように記憶して(間違っているかも知れません),高容量化に乗り遅れたことと,低価格化が進まずユーザーが増えなかったこと,なんだかんだでアメリカ企業の参入がなく,そしてIBMが3.5inchを採用したことがとどめとなり,決着したんじゃないかと思います。

 3inchは胸ポケットに入ることを狙ったそうで,もしも当時マイナーだった3.5inchがマイナーなままだったら,扱いは楽になっていたかも知れません。ほら,3.5inchって案外取り回しが良くないでしょ?

 ちなみに写真のディスクですが,X1のHuBASIC1.0(CZ-8FB01)のシステムディスクです。幻のX1Dに付属していたと思われます。X1のフロッピーディスクは5.25inchの2Dから始まり,3.5inchへは移行しませんでしたから,5.25inchの置き換えとして3inchの採用はごく自然な流れだったと思います。


(2)5.25inch謎の高密度フロッピーディスク

 これは全くの謎なのですが,偶然手に入れた5.25inchのフロッピーディスクです。

ファイル 292-2.jpg

 プラスチックのケースに入り,しかも金属シャッターが備わっています。ラベルには「MD/HD」やら「12MB」やら「ServoWritten」やら,賑やかな文言が踊っています。しかもバーベイタムがコダックの子会社だった時代(1985年から1990年)のものです。

 裏面はこんな感じです。

ファイル 292-3.jpg

 MDはミニフロッピーディスクのことで,5.25inchです。柔らかいジャケットをそのままケースに入れたもので,シャッターを指で開くと,そのまま5.25inchの見慣れたジャケットが出てきます。ただし,チャッキングについては,両面から挟み込む構造が取れませんから,チャッキングプレートがディスクに取り付けられており,そのままケースに入れてあります。

ファイル 292-4.jpg

 後の5.25inchも8inch互換の2HDタイプが登場し,この時HDという言葉が使われるようになりましたから,このフロッピーディスクの「HD」はそれ以前のもの,と言えるでしょう。容量はなんと驚きの12MBです。本当なのか?

 ラベルには78セクター,333TPIと書かれていました。5.25inchの2Dでは,48TPIで40トラックですから,記録半径は0.833インチ,同じ記録半径に333TPIで書き込むとトラック数は277.5トラック,ざっと278トラックですか,すごい。

 5.25inchの2Dでは,フォーマット時に1セクタあたり256バイト,これが1トラックあたり16セクタあり,さらに40トラックで片面160kバイト(両面で320kバイト)ですから,同じフォーマットをかけたとして,このフロッピーディスクでは1セクタ256バイトで78セクタですから,1トラックあたり19.5kバイト,これが278トラックで片面5421Kバイト,両面では10842kバイトで大体10.6Mバイトという感じですね。

 大体公称値に近いところが出てきました。

 ちなみに,PC-88VA(1988年発売)でのみみられた,3.5inchの2TDという規格は,2HDに対して3倍密度3倍トラックで9.3Mバイトというとんでもない容量を実現していました。一説によると2TDはハードディスクコントローラICでアクセスするとか。そりゃそうですね。

 で,ざっと計算をしてみますと,1セクタ256バイトのIBMフォーマットの3倍密度ですから1トラック当たり78セクタ。お,一致しますね。

 そして3倍トラックですから,77トラックの3倍で231トラック。これで片面4504.5Kバイトです。両面だと約9000Kバイトです。なるほどなるほど。

 3.5inchの2HDのトラック密度は135TPIですので,この3倍ですからなんと405TPIですか。これはなかなかすごいことをやっていたんですね。

 さらに気になって調べて見ると,2SDなる規格まであったそうです。知りませんでした。容量は21Mバイトで2TDの倍のようですが,すでに数年前にJISからも抹消されています。ググってもほとんど引っかかりません。

 ということで,ハードケースに収まった5.25inchも聞いたことがありませんし,ドライブもみたことはありません。よってこのディスクの中身に何が入っているのか,知る手立てはありません。ググっても出てこない,Wikipediaにも触れられていないということは,余程の黒歴史なのでしょう。恐ろしいことです。

 バーベイタムがコダックの子会社だった5年間の間に,PC-88VA3で2TDがデビューしていますから,時期的にはこんなところでしょうし,技術的にも特に強烈というわけではなさそうな感じがします。しかし,当時のハードディスクもこんなくらいの容量だったんじゃなかったでしたっけ。

 ちなみに,シャッターを開けて笑ってしまったのですが,盛大にディスク表面にカビが発生しています。これ,バーベイタムのフロッピーディスクの伝統です。かつての実家は結露がひどい家で,カビも発生しやすい環境だったのですが,各社のフロッピーディスクを使っていた我々兄弟は,ことごとくバーベイタム(当時は化成バーベイタム)のフロッピーディスクが盛大なカビで全滅するという現実に恐怖しました。我々兄弟の間でバーベイタムのディスクが購入禁止になったのはこの時以来です。

 記憶では,TDKやマクセルはカビの発生は少なく,しかしカビの発生が全くなかったのはIBMブランドのディスクでした。なぜか安かったですし,見つけ次第買っていたことを思い出します。

 今思うと,バインダと呼ばれる,磁性体をポリエステルのディスクの表面に塗布する時に使う「糊」が,カビにとって「おいしい」ものだったからでしょう。


 てなわけで,2つのちょっと珍しいフロッピーディスクをご紹介しました。実家には5.25inchの2Dノーブランド10枚未開封とか,3.5inch2DD未開封とか,いろいろ出てきたんですが,これらはなんだかんだで古いパソコンを使うときには必要になったりしますから,まあ保存しておくのがよいでしょうね。

なんだか知らんが最近モバイルブームになっている私

 AdvancedW-ZERO3[es]を今さらながらに手に入れました。

 先日W-SIMを手に入れたわけですが,その利用価値を高めるために,以前からなんとなく欲しかった(実はとてもうらやましかった)W-ZERO3シリーズを使ってみようと思い,差がしてみることにしたことが始まりです。

 ヤフオクをざっと見てみましたが,大体相場はAdvancedW-ZERO3[es]で1万円ちょっとくらいのようです。私の場合,ヤフオクは有料会員ではありませんから入札は難しいのが現状です。そもそもオークションは現物も見られませんし,動作確認も出来ません。安く買えても外観やLCDの傷,キーの状態や汚れなど写真ではよく分からないですから,ちょっとためらいがあります。(安くではなく高く買ってこれだと泣きたくなりますし)

 あと,ヤフオクは,どうも喫煙率が高い様な気がして,私の場合大概たばこ臭くて困ります。古本はやっぱりちゃんとした古本屋で買うに限りますね。

  てことで,連休中に実家に帰省した際に,日本橋の中古屋さんをぶらぶらしてみました。案外取り扱いが少ないのでがっかりしたのですが,こういう場合はやはりソフマップ,複数の在庫があるのはここだけでした。

 値段はざっと17000円から18000円というところです。程度の悪いものは14000円くらいからあるようですが,AdvanceではないW-ZERO3[es]が7000円くらいで売られているのを見ると,果たしてAdvanceに1万円の差があるのかどうか,ちょっと悩んでしまいます。

 と迷っているのもなんなので,店員さんに話を聞きます。彼もAdvancedW-ZERO3[es]のユーザーだそうですが,ユーザーとしてはやはりAdvanceの方がおすすめだと。私が気にしていたWindowsMobileのバージョンが6になったこと,CPUクロックが上がったこと,メモリが増えたり画面の解像度が高くなったり,無線LANが入ったりしたことは,彼にとってはそれ程大したことではないようでしたが,大きさが小さい事,電池がよく持つ事については,従来機種との比較というわけではなく,この機種の気に入っている点だ,という話でした。

 棚を見ると,12800円という値段で出ているものがあります。見れば電池の水濡れシールが変色しているので,電池の保証無しという品でした。本体は他と同じく1ヶ月間の保証ですので,電池だけがリスクということになります。

 事情を聞いてみると,電池の水濡れがあることは評価を下げるポイントらしく,それがわざわざ安くしている理由なのだそうですが,参考までの彼の私物のAdvancedW-ZERO3[es]の電池も,水濡れシールが変色していたのを見て,二人は声を出して笑ってしまいました。まあ,ポケットに入れておくと湿気で変色するものですからね。

 それに発売から2年も経過する商品ですから,電池に保証があってもまともに使える期間はそれほど長いとも思えません。6000円以上もする電池をどうせ買い直すなら,単価が安い方が得でしょう。

 とはいえ,13800円のまともな中では最安の商品も気になります。見せてもらうともう傷だらけ。スタイラスが欠品している上,申し訳ないですが不潔感すら感じます。それに引き替え12800円のものは程度も良く,多少の塗装の剥げくらいで欠品もなし。

 シリアルナンバーも12800円の方が随分新しいようで,買うならこっちだなあと判断し,12800円のものを買いました。電池が切れていたので起動させることは出来なかったですし,そもそもちゃんと充電できるのか不安ですが,まあ大丈夫でしょう。

 実家に持ち帰り,充電を始めてみると,3時間ほどで満充電です。ちゃんと起動しますし,W-SIMを差し込むと問題なく通信も可能です。電池の持ちも長いとは思いませんが,実用十分な長さです。3時間ほど使って電池残量が75%ですので,無保証にしては立派なものでしょう。

 実家では満足なネットワーク環境も資料もありませんから,ソフトのインストールもカスタマイズも出来ず,基本機能で試行錯誤することしかできなかったのですが,2日ほど使って慣れる時間があったことはかえって良いことだったかも知れません。

 800x480の美しい液晶は大変見やすく,まるで印刷物のようです。ざっと計算して311dpiという高解像度は,もう十分印刷物のクオリティです。Today画面が現れたときには,一瞬「おっ」と思わせる驚きがあります。

 WindowsCEがルーツのOSですので表示は簡素で,操作することへ楽しさや見た目の満足感は希薄ですが,なんといってもPCではなく,一昔前の携帯電話サイズでPC向けのメールやWEBブラウズが,特にストレスもなく可能になってしまうことは,ちょっとした感激を覚えました。

 また言うまでもなく,24時間繋ぎっぱなしが許されますから,繋がっているという安心感があります。携帯電話では当たり前な感覚ですが,携帯電話とPCの間を埋めるマシンとして,そのいいとこ取りを実現したマシンと環境に,これまで知らずに来たことを悔やみました。

 しかし,WindowsCEですから,やっぱり使いにくいです。軽快感もありません。やりたいことに届くまでのステップがいくつも必要で,到達感(と満足感)への距離がなかなか遠いように感じられます。そこでカスタマイズが必要です。

 自宅に戻ってきてから,途中で購入した本と,先人達の貴重な経験を参考に,カスタマイズを行います。

 特に,HOLDスイッチとサスペンドを連動させる機能は必須で,これがない時に,サスペンドに入る時と入らないときの違いが分からず,いろいろ実験してネットワーク接続が切れないとサスペンドに入らないことを知りましたが,切れてしまった接続を再び繋ぐのが結構面倒で,これら一連の動作を自動化してくれるユーティリティは,手放せません。

 skype,ファイルブラウザ,エディタ,FTPクライアント,ターミナルエミュレータ,時刻同期などのアプリケーションを一通り入れて動作の確認を済ませるのに数日かかりましたが,どうしてもGoogleTalkのクライアントにいいものが見つかりません。チャットはskypeでやれ,ということでしょうか。

 そして驚いたのがPC-9801エミュレータです。15年前に使っていたPC-98RLからBIOSを抜き出し,当時のHDDのイメージをPC上のエミュレータで使っていたのですが,AdvancedW-ZERO3[es]上でもちゃんと動くんですね。伊達に500MHzオーバーのCPUではありません。さすがです。

 最後に禁断のクロックアップ。PXA270のレジスタをいじってクロックを変更するユーティリティがあるので試してみました。

 体感上はっきり違いが分かるのは,クロック650MHz,RAMが130MHzの時です。LCDが65MHzに落ちるせいもあるのでしょうが,なかなか軽快です。ただしLCDクロックが標準の104MHzから変わるせいで,カメラは正常に動作しません。

 そこでCPUが648MHz,RAMとLCDが104MHzの設定にすると,カメラは問題なしですが,今ひとつサクサク感が削がれます。今時のSDRAMはほとんどが133MHzまで動く物ですから,RAMの速度が133MHzにならないことはもったいないので,カメラを犠牲にして,私はあえてRAM130MHzの設定で使う事にしました。安定して動作するので助かります。

 そうして実運用に入ったわけですが,思いの外快適です。メールの取り込みと削除はすべてキーの操作で出来るようにしましたから,まるで携帯電話でメールを取り込むかのような気軽さで,PC用のメールをささっと確認出来ます。

 WEBはまだ重たいですが,これはPHSの回線の細さもあります。そこで以前,自前のサーバーに置いた携帯電話向けデータ量削減スクリプトを通してアクセスするようにしてみました。

 自前のサーバーですから,自宅内なら問題なしですが,外部からだとADSLの帯域の細さが問題になりそうですが,PHSがそもそも128kbpsですのでここがボトルネックです。実際,このスクリプトを経由すると,重いサイトでも軽快にブラウズできます。元々PalmTX用に立ち上げたものですが,こんな事で役に立つとは思いませんでした。

 そのサーバーにSSHで繋がるようになると,もう感激です。日本中どこからでもこのサーバーをメンテ出来るなんて夢のようです。ただし,落としたり盗まれたりしたら最悪ですから,気をつけないいけません。

 ということで,あまりいじりすぎると不安定になりますし,不満なところはほぼ改善されましたから,このくらいでカスタマイズはやめておきましょう。

 こうして,私のモバイル環境は劇的に進化したわけですが,この環境が2年間の期限付きであることをふと思い出し,その頃にはどんな環境が使えるようになっているのかなあと,そんな風に考えました。

 2年後,128kbpsという速度が主流として使われていることはないでしょうし,かといって高速なサービスが高価なままでは,私のようなユーザーはモバイル環境を手放すしかありません。遅くてもないよりまし,という考え方で言えば,ひょっとすると今の環境が一番恵まれていると言うことになる可能性もあります。

 携帯電話との融合が果たせればそれが一番よいのですが,毎月980円というコストで携帯電話がPC並みに使える世の中は来ないような気もしますから,願わくは遅くてもいい人向けに,980円を維持してくれるとありがたいかなあ,などと思います。

 気になるのはiPhoneの動向ですね。もしiPhoneがDoCoMoに来て,使い放題が1ヶ月4000円までなら切り替えたいところですが,さすがにそれはないかなあ・・・

 2年間は嫌でも使い続けないといけないPHSです。しかしAdvancedW-ZERO3[es]が想像以上によい端末だったので,この2年間は快適に過ごせそうな気がします。

24時間どこでも繋がっている安心感を980円で買う

 今さらですが,WILLCOMが提供するデータ通信サービスに加入しました。

 iPhoneだLTEだXGPだWiMAXだと,24時間接続のブロードバンド普及が飽和し,次なるマーケットを狙って群雄割拠するモバイル通信にあって,もはや長老と言うべきPHS。

 コードレス電話の子機を外で使えるようにする,という原点を持つPHSは,小さい,安い,電池を食わないという個人向け移動体通信の柱として期待されましたが,サービスエリアの小ささから支持を得られず,PHSに見劣りしないレベルにまで小さく安く電池が持つようになった携帯電話に敗北を喫しました。

 しかし当時の携帯電話に比べ通信速度が高速だったことを活かし,データ通信に活路を見いだして,ガジェット好きなモバイラーに支持されてしぶとく生き残って来ました。

 DDIポケットの流れを汲むWILLCOMも,速度の遅さという常について回る問題を,価格の安さや魅力的なスマートフォンの導入で何度もしのいできたのですが,イーモバイルやUQ WiMAXの登場に加えて,iPhone3Gが現れ,通信速度と価格,そしてスマートフォンの魅力という面でも,いよいよピンチを迎えているように思います。

 そんなWILLCOMですが,なんとゴールデンウィークのキャンペーンということで,月々3880円の「新つなぎ放題」を,端末費用込みで月々980円にするという話が発表になりました。これはもしかすると激安では,と思ったのですがやはりその通りのようで,すでにWILLCOMの契約者になっている人の中にも,一度解約して新規契約した方が得だ,と言う人が出る始末です。これで元が取れるとはちょっと思えない価格です。

 ちょうど,連休中に実家に戻る私は,常時接続環境がない実家でどうやってメールを見るのか思案していた時期でした。なにせ連休中だけの話ですので,毎月高額費用が発生するのは割が合いません。

 1年でのべ10日くらいしか必要ではないが,必要なときは一日中繋がっていて欲しい,という誠に厄介な話に悩むのが長期休暇前の恒例行事になっている私にとって,結局アナログ電話のダイアルアップが最善策というつまらない結論を毎回出す事が,とてもうんざりだったのです。

 まぁ出せて毎月1000円までだな,と思っていた私は,今回のWILLCOMのプランは,もしかするとものすごく現実的な話なんじゃないかと気が付きました。

 iPhone3Gは確かに面白そうです。端末価格も今なら実質タダです。しかし,毎月5000円以上の負担は大きく,ソフトバンクに2年縛られるのも気分的に良くありません。

 その他いろいろ考えて見ましたが,私は速度より24時間繋がっていることが重要なのだと判断,この980円のプランにのってみることにしました。

 私が選んだのは,WS002INという機種です。USBとW-SIMを繋ぐアダプタとW-SIMがセットになった通信カードで,MacもWindowsもOKです。費用の内訳はこうです。

 新つなぎ放題のプランをW-VALUE SELECTで申し込むと,端末価格は16800円になります。本来の月々の通信料金は3880円ですが,ここにW-VALUE SELECTでの割引3600円が入り,毎月280円になります。

 端末価格を2年間で分割すると月々700円となり,毎月の支払合計は980円という仕組みです。新規登録料は4月30日までは無料,ウィルコムストアの送料も新規の場合は無料ですので,全く支払いが発生しません。恐ろしいことです。

 提供されるのは通信回線だけですから,プロバイダは別に用意しないといけませんが,幸いなことに私がADSLで使っているプロバイダはWILLCOMのパケット通信のアクセスポイントを無料で使わせてくれます。よって追加費用の発生もありません。

 こんなおいしい話があるんだろうか,と思いつつ昨日カードが手元に届きました。特に引っかかることもなく,MacとWindows両方で設定も完了。

 x4までしか対応しないW-SIMですから,128kbpsというMP3のビットレート並みの遅さで,WEBのブラウジングなどではさすがにイライラしますが,その他は全然大丈夫です。そもそもFOMAで通信しても,私の場合はパケットだとものすごく高額になるプランなのでパケットではない64kでしか恐ろしくて繋げません。それに比べれば快適な上に,時間も気にせず使えるのですから,それはまるで背中に羽が生えたような気軽さです。

 私は非常にありがたいと思っていますが,そもそも期間限定とは言え,なぜ980円にするのか。いろいろ邪推しました。

 まず,現金が欲しいのではないかという事。毎月毎月980円とはいえ決まった金額が入ってくるというのは,かなりありがたいでしょう。しかもレガシーなPHSシステムに対しての新しい設備投資は基本的には発生しないわけですし。

 しかし,2年後に3880円に戻ってしまうわけですから,この段階で多くが解約するでしょう。これはWILLCOMにとって死活問題になるはずです。

 ここは2つの考えがあります。1つはXGPのサービスが軌道に乗り,2年後にはXGPに乗り換えてくれることが期待できるということ,もう1つはXGPのサービス開始後,従来のパケット通信については大幅値下げを行い,980円程度にすることで,2年後の解約を阻止できるはず,という考えです。

 XGPが始まっても,従来のPHSの設備をすぐに停止できる訳ではなく,しばらく維持する必要があります。格安でも提供できれば維持費用の無駄を押さえることができます。

 XGPの価格をおそらく決めかねているんではないかと思うのですが,その場合に決まった収入と設備があるWILLCOMは,後発でありながらもそれなりの基礎体力を持っていることになるのですから,布石として980円のプランで加入者を今のうちに集めておくという作戦は,それなりに説得力があります。

 しかしあくまで前提は2年後にXGPが立ち上がっていることです。それまでにWiMAXに敗れたり,資金が底をついてしまうようなことがあったら,もうオシマイです。1280円や1580円でも良かったはずなのに,あえて980円という価格を出してきたことが,吉と出るか凶と出るか,なかなか微妙なラインなんじゃないかと心配になります。


 さて,数年前は1万円近くの費用がかかったモバイル向け常時接続環境ですが,遅ればせながら私も憧れだった環境を手に入れることが出来ました。私は素直にうれしいです。

 W-ZERO3[es]を中古で手に入れるのもよし,休眠状態のVAIO Uをメンテして持ち出すのもよし,ネットブックを買ってしまうのもよし,月々980円で手に入れたインフラを,どうやって活用するのかまさに思案のしどころです。

 しかし現状では,全く使い道がないのも事実。有効活用の方法を模索したいと思います。

VCオリジナルeSATAカードは放棄する

 さて,MacBookProにeSATAで外付けHDDを繋ぐ大作戦,ですが,VintageCompterさんが初期不良の可能性があるので返送せよ,ということで送り返したところまでここに書きました。

 その後,のお話です。

 まず,返送後1週間ほどして,突然発送連絡がメールで届きました。ただ単にVCオリジナルeSATAカードを送りました,という内容のもので,結局初期不良だったのかどうか,そして送られてくる品物がどういう素性のものなのか,全く触れていません。

 困ったなあ,結構いい加減な会社なのかなあ,と思いつつ,こちらからメールで問い合わせをしてみると,連絡が漏れていたみたいで,結論としては初期不良,新品を送りました,ということが,謝罪と一緒にメールされてきました。

 先方で初期不良が確認出来た,と言うことと,その初期不良が起きない新品を送ってくれた,と言うことは,かなり期待できそうです。

 そのうち,ちょうどこないだの日曜日に品物がはるばるアメリカから届きました。

 実は安定動作をしているかのように思っていたSil3132のカードも,2週間のうちに何度かカーネルパニックを引き起こしています。ケースを介さずeSATAカードとHDDを直結すると安定したように思えたので,そういう状態で現在使っています。

 あまり警戒することもなく,届いたカードをカードスロットに差し込んでみます。

 すると,メニューバーにカードのアイコンが出てきます。とりあえず認識はしているみたいです。ここまでは前回のカードを全く同じです。

 次にHDDの電源を入れておき,eSATAカードにケーブルを差し込みます。ここですぐにマウントされれば問題なし,と行きたいところなのですが,期待に反して何も起こりません。これはおかしい。

 仕方がないのでカードを抜き,eSATAケーブルを差し込んだ状態でカードをMacBookProに差し込んでみます。

 すると,あっさりカーネルパニックが発生。嫌な気分です。

 うなだれながら再起動し,何度かカードを先に差し込んでケーブルを挿す,あるいはさしてからHDDの電源を入れるなどやりましたが,マウントせず。カーネルパニックもなし。つまり何の反応もなし。

 以前より悪くなっています。

 HDのインターフェースは1.5Gbps設定にしてありますから,以前なら少しずつでもコピーが進み,カーネルパニックなどは起こさないはずだったのですが,今回はマウントしませんし,しても即座にカーネルパニックですから,全く使い物になりません。

 私としては,以前のような大がかりな検証を行うのはもう嫌ですし,カーネルパニックによって作業が止まり,HDDの検査に何十分もかかった上,ファイルが壊れる(実際にpalm関係のファイルが壊れました)という事態まで招き,その上またあの会社と不毛なやりとりをしないといけないかと思うともううんざりなので,この爆弾のようなカードは封印し,処分しようと思います。

 5000円ほど無駄にしますし,時間も1ヶ月ほどふいにしましたが,やむを得ません。


 ところで,Sil3132のカードも調子がいいとはとても言えません。いつも日曜日の夜に起こるのですが,今回も昨日の日曜の夜,HDDにデータをコピーしようとマウントしたらその瞬間にカーネルパニックです。

 先週は毎日のようにHDDを使ったので安心していたのですが,がっかりです。うまく動いていたときと,カーネルパニックを起こしたときの違いは,VCカードを一度差し込んだかどうか,と腕palmをHotSyncしたかどうか,の2つくらいです。

 前者はカーネルのキャッシュの関連があると思いますし,HotSyncのマネージャはPowerPCのコードで動作しているので,怪しいと言えば怪しく,とりあえずONYXというフリーウェアでカーネルキャッシュをクリアし,再起動。その後は問題は出ていません。

 こんな感じで,単純な初期不良ということではなく,やはり相性の問題というとてもすっきりしない着地をしなければならないような感じです。無保証自己責任の人柱なら笑って済ませるんですが,今回はMac用と銘打っている商品を選んで買っただけに,それでもダメだったということはなかなか認めたくない事実です。

 ハードウェアも複雑化していますし,MacOSXも以前のMacOS9に比べるとはるかに見えない部分があります。大昔のSCSIにも随分手を焼きましたが,それでも原因を1つ1つ潰していくと,最後には確実に動かすことが出来るようになっていました。

 そこへ行くと最近は,一件関係なさそうに見える原因が複数重なって起きている事も多く,1つ2つ原因を取り除いても問題の解決には至らないことが多いように思います。今回の問題も,おそらくそんな感じの,決して1つや2つのわかりやすい理由で起きているのではないのでしょうね。

 SCSIの時代からそうでしたが,理由が分からない人は,「相性」という言葉を使います。今目の前で起こっていることは事実なのに,その原因がわからない,いわば神様や幽霊のような存在と同じレベルで,相性という言葉を使っていたのですね。

 私は技術者ですから,相性という言葉は使わないように努力をしていました。原因を調べて,再現性を確実にすることがなにより大事なことだと思っていましたし,また工業製品である以上それは必ず可能に出来ると信じていました。

 当時の私のスキルはなんとか最前線に立てていたのでしょうが,早い話が私も「相性」という言葉を使い始めたという事は,もう今時の技術の先端にはいられなくなっているのだ,ということなのでしょうね。寂しいことですが・・・

 とりあえず,Sil3132のカードをこのまま使って様子を見ます。カーネルキャッシュのクリアは結構効き目がありそうなので,期待大です。

イタズラ電話で考えたこと

 昨夜22時半過ぎに突然電話が鳴り,何事かと思って電話に出ました。有り体に言えば,不動産屋のセールスの電話だったわけですが,

  要件はなんだ -> 聞いてくれればわかります
  もう寝るんだが -> 聞いてくれないと寝れませんよ
  私には話を聞く理由がないんだが -> こちらにはあるんです
  なんであなたの事情を考えないといかんのだ -> 電話しているからです

てな,まるでちょっと賢い小学生と話をしてるような,かみ合わない会話でした。
しまいには,相当頭に来ていた私の口調を,おどけてオウム返しするような子供っぽいことを彼はやってましたが,それでも彼はこれまできちんと周りに話を聞いてもらってきたのでしょうから,随分恵まれた境遇だったんだなと,うらやましくなります。

 言葉遣いは非常にきっちりしてたので,さすが不動産屋とは思いましたが,言葉遣いとやってることのギャップがあまりに大きく,正直に言うと何度か思わず笑ってしまいました。

 今考えて見ると,腹が立つと言うより,真面目に応対したことが失敗だったなと。一種のイタズラ電話だったと考えれば,まあ水に流してあげられます。

 終止私を「ご主人は」と名前で呼ばず,どっかの名簿を買ってかけてきたんでしょう。ググってみると,それらしい不動産屋が近隣にありました。要注意ですね。

 不動産業界は今とても大変らしく同情もしますが,こんなことをやっても逆効果ですよ。景気が悪いときこそ効率を追求しないと,私に費やす時間で3人は電話できたでしょう。勧誘の電話は数ですよ数。ダメだと思ったら深い追いしないのがコツです。

 それはそうと,携帯電話のように相手の電話番号をブロックしようと考えたのですが,有線の電話は,相手の電話をブロックするどころか,相手の電話番号さえもわからないシステムになっていることに気が付きました。

 相手の電話番号を知る事は,毎月の追加料金と電話機の買い換えで対応できますし,迷惑電話おことわりサービスなる月々600円のサービスを申し込めば,一応遮断は可能ですが,外側からしたい放題の無防備な状態がデフォルトで,結構な金額の別料金で少しだけまともな状態になる,というのも,携帯電話やPC,ネットの世界に慣れていると,よくもこんな仕組みが成り立っていたもんだと,あきれてしまいます。

 悪いことをする人を占めだし,割に合わないことだと悪いことそのものをなくしていくことで全体を良くするという思想ではなく,悪い目にあった人を単独で保護すればそれでよい,というその場限りの発想も,いささか古い考え方のように思えます。

 つまるところ,有線の電話は,進化が完全に止まっているということです。セキュリティ意識も低いし,顧客を守るという思想も希薄で,ますます有線電話の商品価値は低下していくし,それに気が付かない人が増えることでしょう。

 昨日,私は電話を切った後にもしつこくかけてくる相手に対抗するため,電話線を抜いて寝ることになったのですが,このことで私の電話機はノードから外れてしまいました。

 電話は1台では何の意味もなく,2台以上あって初めて価値が生まれます。電話は台数が増えるほど価値が増大するものですから,私の電話機が外れれば,それだけ価値が低下するということになります。(初期のskypeを思い出して下さい。かけたい相手にskype入れてくれとわざわざお願いした経験はありませんか?)

 わかりやすい話で,私に電話をして勧誘すれば,私が引っかかるようなサービスだってあったかも知れないわけですし。でも,その可能性は電話線を外した瞬間にゼロになりました。

 当のNTTはなにをやっているかと言えば,有線電話の価値を上げるようなことは最近なにもやってません。Dモードも中止になりましたし,逆に携帯電話料金に維持費用の一部を負担してもらっている体たらくです。

 信頼性と確実性の維持をNTTは自慢し,それが売りだといっていますが,いってみればインフラですから当たり前の話で,ずっと以前からそれが売りであったことを考えると,維持されて当然の商品でです。現状の維持だけで先に進もうとしない,進化が止まったというのはこういうことです。

 今すぐにイタズラ電話を遮断する仕組みがない,このことに気が付いた昨夜の私は,改めてイタズラ電話で嫌な思いや怖い思いをしてきた人を気の毒だと思うようになりました。人生何事も経験ですね。

 私が高校生だったときの師は「電話は暴力だ,こちらの都合を考えない」と私に説きましたが,その究極の事態がイタズラ電話なんだなと思った次第です。

速さは力

 会社では辛抱をしながら,WindowsVistaを使っている私ですが,マシンもそれ程強力というわけではなく,平均的なダルな重さに加えて突発的に発生する引っかかりにイライラし,WindowsVistaって作ってる人は実はVistaを使っていないんじゃないか,と疑い始めたところです。

 少しでも使いやすくなるように工夫をするのが,これ人類進化の原動力です。

 ある日,そういえばVistaってフラッシュメモリを使って高速化するワザがあったよなと思い出して,ReadyBoostなる名前を強く意識しました。いわく,いわゆるキャッシュをフラッシュメモリに置いて,HDDへのアクセスを減らそうということらしいです。

 うーん,しかしHDDの遅さでイライラする主要因はスワップの発生だよな,それがフラッシュメモリに置かれるのはフラッシュメモリに酷な話だし,だからといってアプリケーションのキャッシュを置いても,そんなに高速化されるとは思わないなあ,などと想像を巡らします。

 とりあえずやってみるか,と3年ほど前に購入したグリーンハウスのPicoTurboというUSBメモリを差し込んで,試したところ,アプリケーションの起動に待つ時間が体感上随分短縮されました。

 これは蜜の味ですね。もうReadyBoostを使わないという選択肢はこの段階でなくなりました。

 普段余り使わないカードスロットを有効活用したい(むしろ私はUSBは足りない)ので,余っていた4GBのSDHCカードをReadyBoostに使おうとしたのですが,どうも速度が遅いようで使えないらしく, SDHCもHCとかclass6とか随分偉そうな称号を名乗る割には口ほどにもないな,と思ったりしていました。

 ご承知の通りNANDフラッシュメモリは,何の工夫もしないと随分と遅いメモリです。メモリチップそのものの構造の違いに始まり,エラー訂正やウェアレベリングといった使いこなしのための技の優劣に至るまで,速度差を生む要因は,我々がアイコンをダブルクリックしてからその実態に届くまでの間に,何層にも重なって最後に大きな差となります。

 自ずと高速のものは高価になり,安いか大容量か高速か,の3つのジャンルがフラッシュメモリには存在しますReadyBoostというのは実は3つがバランスしないと成り立たない世界ですので,あまりメジャーになれていないんだろうなと思いました。

 それに,マイナーなVistaのマイナー機能であるReadyBoostを使うのに,速度によって使えるフラッシュメモリと使えないフラッシュメモリがあり,基本的には試して見るまでわからない,というバクチ要素がつきまといます。こんなの,普通の人がちょっとやってみるかとは,およそ思えないでしょう。

 そんなこんなで先日,友人がchumbyを買う際,一緒に高速版のUSBメモリを買ったのですが,確か4GBでも1300円ほどだったよなと思いだし,1000円ちょっとで高速化できるなら安いしなんといっても面白そうだ,と判断,昨日会社の帰りに量販店でUSBメモリを買うことにしました。

 で,会社の帰り道にある量販店に足を運びますが,まあわかりにくいったらありません。どのUSBメモリがReadyBoostに対応しているのか,よくよく見ないとわからないのです。どうやら,ReadyBoostに対応と,はっきり書いた品種は実はあまり多くないようです。

 それもそのはず,速度の遅い売れ筋商品比べ,同じ価格なら容量は半分ですので,その速度的な価値が分かる人しか手を出さない,マニア向けのジャンルですから当然です。しかし,ReadyBoostは別にして,使うあてもない8GBを買うより,十分な大きさの4GBで高速なものを買った方が,普通は幸せになれるだろうと思います。

 いろいろ迷って,結局SanDiskのcruzer color+の4GBを買いました。価格は1480円で,4GBでReadyBoost対応の中では最も安いものだったのですが,実はamazonにさえ価格で負けていることを後で知ることになります。

 さて,私は2GBのPicoTurboを長く愛用しています。当時最速の評価を欲しいままにしたUSBメモリ界のスーパースターで,全く不満なく使っていたのですが,もし今回買った4GBが同等の速度であるならば,メモリセルの信頼性の観点からも置き換えをした方がいいと考えて,ベンチマークを取ってみることにしました。

 実はベンチマークをきちんと取ることもなく,体感速度でPicoTurboの圧勝であることはなんとなく分かっていたのですが,それはそれ,やはり数字で議論です。

 以下はフラッシュメモリのベンチマークで標準的に使われているソフト「CrystalDiskMark」による結果です。マシンは私が普段使っているVAIOノートのtypeGです。遅いマシンなのでこの数字は他の掲示板などで見る数字よりもかなり悪くなっていることは割り引いてやってください。

 まず,私の愛機,グリーンハウスのPicoTurbo,GH-UFD2GTBです。GTBってのがいいですね,スパルタンな感じがして。

GreenHouse PicoTurbo2GB GH-UFD2GTB
--------------------------------------------------
CrystalDiskMark 2.2 (C) 2007-2008 hiyohiyo
Crystal Dew World : http://crystalmark.info/
--------------------------------------------------

Sequential Read : 18.733 MB/s
Sequential Write : 15.646 MB/s
Random Read 512KB : 18.706 MB/s
Random Write 512KB : 7.846 MB/s
Random Read 4KB : 4.246 MB/s
Random Write 4KB : 0.100 MB/s

 本当は公称値であるリードで27MByte/secくらい出て欲しかったのですが,ホストマシンが遅いこともあるでしょうし,USBメモリが空っぽでないことも影響しているのでしょう。それに,実はこのメモリ,エラー多発によりローレベルフォーマットを3度ほどかけて復活させているので,そのせいかも知れません。

 次にSanDiskのcruzer color+,SDCZ23-004Gです。

SanDisk cruzer colors+ 4GB SDCZ23-004G
--------------------------------------------------
CrystalDiskMark 2.2 (C) 2007-2008 hiyohiyo
Crystal Dew World : http://crystalmark.info/
--------------------------------------------------

Sequential Read : 18.547 MB/s
Sequential Write : 5.983 MB/s
Random Read 512KB : 18.470 MB/s
Random Write 512KB : 3.051 MB/s
Random Read 4KB : 3.847 MB/s
Random Write 4KB : 0.007 MB/s

 リードはPicoTurboと同じで18.5MByte/secで飽和しているようですから,ホストマシンの性能限界でしょう。しかしライトが遅過ぎです。どう考えてもこれはMLCですね。

 あと,4kBのライトが死ぬほど遅いです。大容量化したフラッシュに共通の傾向ですが,我々はそんなにでかいファイルばかりを作っているわけではありませんので,メーカーさんにはなにか工夫をお願いしたいところです。

 この段階で,PicoTurboの引退はなし,ReadyBoostにはcruzer color+をあてることが決定しました。

 ついでに口ほどにもないSDHCカードも測定してみました。カードスロットはホストマシンに内蔵のものをそのまま使います。

 大阪のソフマップで投げ売りされていたSILICON POWERの4GBと,最近K10D用に買ったTrancendの8GBの2つを試して見ます。

SILICON POWER SDHC4GB class6
--------------------------------------------------
CrystalDiskMark 2.2 (C) 2007-2008 hiyohiyo
Crystal Dew World : http://crystalmark.info/
--------------------------------------------------

Sequential Read : 2.649 MB/s
Sequential Write : 7.689 MB/s
Random Read 512KB : 2.630 MB/s
Random Write 512KB : 2.131 MB/s
Random Read 4KB : 1.028 MB/s
Random Write 4KB : 0.022 MB/s

Trascend SDHC8GB class6
--------------------------------------------------
CrystalDiskMark 2.2 (C) 2007-2008 hiyohiyo
Crystal Dew World : http://crystalmark.info/
--------------------------------------------------

Sequential Read : 2.735 MB/s
Sequential Write : 6.433 MB/s
Random Read 512KB : 2.705 MB/s
Random Write 512KB : 2.172 MB/s
Random Read 4KB : 1.123 MB/s
Random Write 4KB : 0.025 MB/s

 こりゃ,ReadyBoostで使えないはずです。基準を全く満たしていないほど遅いです。一応ライトはClass6を名乗る条件を満たしていますが,こんなにリードが遅いとは開いた口がふさがりません。

 リードよりライトが高速というのはなかなか興味深く,さすがデジタルカメラをターゲットにしているだけあるなと思いました。

 ただ,これらの原因は内蔵スロットのせいかも知れないので,カードそのものの良し悪しには直結しないと考える方が無難かも知れません。

 ついでに,といってはなんですが,昔買ったMemoryStickProも調べて見ました。

SONY MemoryStickPro 256MB MSX-256S
--------------------------------------------------
CrystalDiskMark 2.2 (C) 2007-2008 hiyohiyo
Crystal Dew World : http://crystalmark.info/
--------------------------------------------------

Sequential Read : 6.576 MB/s
Sequential Write : 5.002 MB/s
Random Read 512KB : 6.553 MB/s
Random Write 512KB : 4.342 MB/s
Random Read 4KB : 4.515 MB/s
Random Write 4KB : 0.143 MB/s

 意外に,というとなんですが,結構高速ですね。リードとライトの数字揃っているのは個人的には好感触です。ちゃんと調べていないので間違っているかも知れませんが,もしかするとSLCかも知れません。


 ということで,フラッシュメモリに限らずおよそベンチマークなどというのは測定条件によって大きく結果が変わってくるものですから,あくまで参考値に過ぎません。ただ,同一環境においては傾向を見る道具として有用ですから,機会があればこうやって数字化するのは良いことだと思います。